...取次の者がその由を言つて断ると...
薄田泣菫 「茶話」
...銀座へ、さそわれたけれど、断る...
太宰治 「正義と微笑」
...あたしゃ歯が悪くて筍はまっぴらだと断る話...
太宰治 「惜別」
...その日軽薄で見識のない早慶ファンが前の晩から山のようにつめかけたことは断るまでもない...
戸坂潤 「社会時評」
...断るに極っています...
豊島与志雄 「変な男」
...厭なものは断る、断ってさえしまえば後(あと)には何も残らない、私はこう信じていたのです...
夏目漱石 「こころ」
...ただ私にその意味が解ったという事だけを承知していただけばたくさんなんです」「そんならわざわざ断る必要はないよ...
夏目漱石 「明暗」
...つまりこのお金を断ることによって...
夏目漱石 「明暗」
...「来て貰うのが迷惑だから断るんじゃないよ...
夏目漱石 「明暗」
...するとイワン・フョードロッチは――いやそのころは単にワニューシャだつたが、――鼠色の制服の釦孔(ぼたんあな)にさげてゐた小さい革袋(ケース)からナイフを取り出して、但しペンを削るのにナイフの刄尖(はさき)をつかはないで欲しい、それにはちやんと、適当な刄の鈍い個所があるからと、断るのだつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...提案を断る大きな理由があったに違いない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...断るのに苦労するんじゃないか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...断る方も、断られずにいられないふうが次第に見え、何とかして一枚でも書かそうという気合が、この温厚な若い雑誌記者の眉がぴりぴりふるえた...
室生犀星 「芥川の原稿」
...必ず特別に観られる様にすると云つて僕の断るのも聞かずに其(その)方の街へ曲つて行く...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...「――折角だが断る」とのみで...
吉川英治 「三国志」
...『断るやつがあるもんか...
吉川英治 「小説のタネ」
...客商売の断るかけひきはままあるので...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...断るまでもなく、みな水戸家の臣だ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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