...根柢からして腐敗し切っていて到底救うべからずだ――」と日本の下級者の無知無恥に愛想を尽かしていた...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...ここに己(おのれ)の力も他人(ひと)の力もヨブを救う能(あた)わざるに至って...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...『青軍(せいぐん)の危急(ききゅう)を救うべく...
海野十三 「恐しき通夜」
...この愚夫の迷いからめざめさせ卑劣卑屈の人心を救うのは諸君たちの役目だ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...内にあっては百姓の窮乏を救うこと能(あた)わず...
太宰治 「惜別」
...ちょっと変なその場の空気を救うべく...
谷譲次 「踊る地平線」
...楚の項羽が、虞美人を抱いて泣き、本朝では、源九郎と、静の故事(ふるごと)など――外に向っては、天下の経綸を論じ、且、行うのは、大丈夫(だいじょうふ)の本懐なり、又、使命でもござりまするが、内へ入って、喃々(なんなん)と、惚れた女の手玉にとられるのも、人間、男女の、生れた時よりの大道で、天下を救うのと、その是非、その大小、必ずしも、痴情を、卑しむことはできませぬ」「それで――」左源太は、うるさそうに、冷たく云った...
直木三十五 「南国太平記」
...広い廊下の四辻のところには、ラヂオが高い処に置いてあったし、小さい黒板には、涙は人生を救う、汗は貧を救うと云う文字が書いてあったりしました...
林芙美子 「新生の門」
...だからあの方の勇気と決断がどんなに多くの人命を救うことになったか...
久生十蘭 「だいこん」
...国を救う道だという信念がなくては出来ないことだといつかパパが話してくれた...
久生十蘭 「だいこん」
...旦那さまにも横目役所から手配がきております」「そうかやはりあれが禍になったか」板鼻の宿で山県大弐を救うため...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...孫権の急場を救うために...
吉川英治 「三国志」
...羅刹(らせつ)地獄の六道の娑婆苦(しゃばく)も能く救うというお地蔵さまも...
吉川英治 「私本太平記」
...世を救うみちはなしと信じまする」「さてこそ...
吉川英治 「私本太平記」
...しかも――彼の先見や誠忠をもってしても――この危機を救うことができなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...みな振りすてて一人の子を救うために...
吉川英治 「親鸞」
...フロイスを救うことが困難になるからである...
和辻哲郎 「鎖国」
...その大慈悲心をもって心のままに衆生(しゅじょう)を救うのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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