...悪がしこい叔父の智慧と敏捷な挙動は最大の利器であった...
伊藤野枝 「わがまま」
...螢光燈ニスルトラジオニ雑音ガ交ルト云ッテ妻ヤ敏子ハ当時反対ダッタノニ...
谷崎潤一郎 「鍵」
...全く思いも設けぬ敏(すば)しっこさであった...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「自転車嬢の危難」
...しかし悲しいかな君の北洋艦隊はそれほど敏捷(びんしょう)にあらずだ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...日常の事物を把握するに明敏な頭脳は往々にして論理的に無能である場合が見出されるのは少なくない事実である...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...「たったそれだけのこと、敏子さんの前で、どうしていけないんです...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...常に自分たちを結びつける事柄によりも自分たちを引き離す事柄のほうにより多く敏感である...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...神経が過敏になってるところへもって来て...
夏目漱石 「明暗」
...裸身(はだか)では居られないので、天然の美を被ふのに、その顏によく似合つた色の布を選らむのは當然なことで、すこしでも美しいのをといふ心持ちが、色彩に敏くなり、模やうや、かたちまでが種々に變化し、賣手のつくる流行に支配されると、自分の皮膚とは、似てもにつかないものをつけることになつて、化粧を濃くしてごまかし、自分の本來のものを殺してまで衣服の柄の方に顏を合せようとする不自然さになつたりする...
長谷川時雨 「きもの」
...赤ん坊の感覚は非常に敏感なものです...
羽仁もと子 「おさなごを発見せよ」
...牛原虚彦監督の「旗本侍法」と如月敏作の「母よ安らかに」を見る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...敏と一緒に出て、眼科へ寄り、ニットコーナハウスで紅茶を飲み、座へ出る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...これはまさしく頭のあんまり鋭敏ではない人間がその品物を自然のままに並べようとして自然にやりそうな配置だね...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...現実には囲みがだんだん狭まり、俊敏な身ながら、もう少しのところで、敵の手に落ちる...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...明敏な頭脳がいつも何物にか饑(う)えている...
森鴎外 「かのように」
...その女は體躯つきのいかにも敏捷な...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...聡明敏感な彼のことだから...
吉川英治 「三国志」
...ただ機を見るに敏な彼は...
吉川英治 「三国志」
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