...放擲つて置けばいゝぢやないか...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...世人これを宗教の外に放擲して...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...一端口外した自家意中の計画をさえも容易に放擲(ほうてき)して少しも惜(おし)まなかったのはちょっと類の少ない負け嫌いであった...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...原文と譯文とを對照して其意義を解したるのみに放擲せば...
テニソン Tennyson 菅野徳助、奈倉次郎訳 「アーサー王物語」
...やがてまた持切れそうもない今の家を一思いに放擲(ほうりだ)して了(しま)いたいような気分になっていた...
徳田秋声 「あらくれ」
...自然科学は神秘化される(因果律の放擲)...
戸坂潤 「技術の哲学」
...例えば因果律は放擲されて了うことになり...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...生命過程の物理学的化学的説明を多少とも根本的に放擲しようとしたのは十八世紀のフランスに於ける生気論者から始まった(Bordeu, Barthez, Chaussier, L. Dumas など*)...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...文化の国際的通用性というものはもう放擲されたと見ねばならぬ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...なんらの指導もなしに世人を放擲するわけにゆかない...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...女髪結(おんなかみゆい)の亭主で大工の本職を放擲(うっちゃ)って馬鹿囃子(ばかばやし)の笛ばかり吹いている男であった...
永井荷風 「伝通院」
...一切を放擲(ほうてき)してしまったかも知れなかった...
夏目漱石 「それから」
...その長い間放擲(ほうてき)していた私の仕事を再び取り上げるために...
堀辰雄 「美しい村」
...何んなものを著てゐたか! 何も彼も放擲して...
牧野信一 「西部劇通信」
...退屈の余り惜気もなく放擲したゴオチエの「クラリモンド」と云ふ小説の一句だつた...
牧野信一 「痴想」
...無意義(むいぎ)だ………もう何も彼(か)も放擲つて了はうかしら!穴籠(あなごもり)してゐると謂や...
三島霜川 「平民の娘」
...鎌倉放擲に一致した...
吉川英治 「私本太平記」
...真実の仏法修行はこの種のこころをも放擲しなくてはならぬ...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??