...放擲つて置けばいゝぢやないか...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...一端口外した自家意中の計画をさえも容易に放擲(ほうてき)して少しも惜(おし)まなかったのはちょっと類の少ない負け嫌いであった...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...そんなものは皆放擲(ほうてき)して了っていた...
高村光太郎 「回想録」
...現在の好意的な中立の態度を放擲(ほうてき)して逆に露西亜(ロシア)に傾いて行ったら...
太宰治 「惜別」
...ただこのままに放擲(ほうてき)してキャンプへ引き揚げてしまうということが...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...と云うのは因果律の固執者と放擲者とである...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...放擲することである...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...要するに夫は機械論の放擲を命じているのである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...万事を放擲するつもりではいたが...
豊島与志雄 「反抗」
...なんらの指導もなしに世人を放擲するわけにゆかない...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...一切を放擲(ほうてき)してしまったかも知れなかった...
夏目漱石 「それから」
......
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...その長い間放擲(ほうてき)していた私の仕事を再び取り上げるために...
堀辰雄 「美しい村」
...未だ小生の所有にかかはる土地の件に関しては度々申しあげたるが如く一切を放擲したきが年来の小生の念願なれば――」云々といふ手紙を書き出すのであつたが...
牧野信一 「疑惑の城」
...村中の人々は一切の野良仕事を放擲して...
牧野信一 「南風譜」
...僕は何うかなりや決して放擲ツちや置かん...
三島霜川 「平民の娘」
...何ゆえに直ちに自余の価値を放擲(ほうてき)しないか...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...すなわち世間的価値の一切を放擲して...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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