...残念ながら我々はこの方法を放擲せざるを得ないのである...
伊丹万作 「雑文的雑文」
...世人これを宗教の外に放擲して...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...やがてまた持切れそうもない今の家を一思いに放擲(ほうりだ)して了(しま)いたいような気分になっていた...
徳田秋声 「あらくれ」
...イデオロギーの真偽を判定する論理的な原理を放擲する...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...この技術的範疇を放擲しようと企てている...
戸坂潤 「技術の哲学」
...万事を放擲するつもりではいたが...
豊島与志雄 「反抗」
...なんらの指導もなしに世人を放擲するわけにゆかない...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...君今学業を放擲(ほうてき)してかかる邪道に踏み迷はば他日必ず後悔臍(ほぞ)をかむ事あらん文筆を好まば唯正業の余暇これをなして可なりかつはまたわれは尾崎や川上とは異なりてかの人々の如く多く門生を養ひ教ふるの煩(はん)に堪(た)へざるものなり...
永井荷風 「書かでもの記」
...あなたに対する私のこの義務を放擲(ほうてき)するところでした...
夏目漱石 「こころ」
...ただたいていのものは智慧(ちえ)が足りないから自然のままに放擲(ほうてき)しておくうちに...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...あんまり放擲(うッちゃ)ッといちゃアよくないよ...
広津柳浪 「今戸心中」
...「放擲(うッちゃ)ッておおきよ...
広津柳浪 「今戸心中」
...何んなものを著てゐたか! 何も彼も放擲して...
牧野信一 「西部劇通信」
...それでも思切(おもひき)ツて其の作を放擲ツて了うことが出來ぬから...
三島霜川 「平民の娘」
...僕は何うかなりや決して放擲ツちや置かん...
三島霜川 「平民の娘」
...こんなに幾月もほかのことは放擲(ほうてき)したふうで付ききりで看護もしていますが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この壮大な天然を放擲(ほうてき)して置いてはいけない...
柳田国男 「雪国の春」
...国界(くにざかい)の小防塁をすべて放擲(ほうてき)して...
吉川英治 「新書太閤記」
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