...以(もっ)て列国の侵略に抗してその独立性を保全すべしと叫んで学業を放擲(ほうてき)し...
太宰治 「惜別」
...金溜(かねた)め主義を放擲(ほうてき)してぱっぱっと使う気になったのであろうと...
谷崎潤一郎 「細雪」
...だから文化社会学としての文化社会学は又放擲される...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...全く放擲されて了う...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...恰もこういう本質による説明を放擲する...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...文化の国際的通用性というものはもう放擲されたと見ねばならぬ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...新たな玩具(がんぐ)のためにすべてを放擲(ほうてき)した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...残りなく自己を放擲(ほうてき)した...
夏目漱石 「それから」
...ただたいていのものは智慧(ちえ)が足りないから自然のままに放擲(ほうてき)しておくうちに...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...若シ放擲シ置ケバ尽ク外人ニ奪ヒ去ラルヽニ至ラン...
※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]上漁史 「好古小言」
...一切の文學的活動を放擲する辯疏のために書いた手紙である由が註せられてゐる...
堀辰雄 「春日遲々」
...長男の新吉が生れぬ前に学校を放擲するとアメリカへ旅立つた...
牧野信一 「淡雪」
......
牧野信一 「スプリングコート」
...それでも思切(おもひき)ツて其の作を放擲ツて了うことが出來ぬから...
三島霜川 「平民の娘」
...堪える丈堪えたのだと云う自己に対する承認とともに万事を放擲した心境が...
宮本百合子 「有島武郎の死によせて」
...こんなに幾月もほかのことは放擲(ほうてき)したふうで付ききりで看護もしていますが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...いまはみずから放擲してみずから自己の非を暴露したもので...
吉川英治 「私本太平記」
...しかし道元の説く慈悲は身心を放擲したものの慈悲である...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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