...……私は来世を信じない、過去を放下する、私はたゞひたすらに現在を信ずる、即今――永遠の刹那を充実すべく全身心を尽すのである、……宇宙霊を信ずるけれど個人霊を否定する、……個は全から分れ、そしてまた全に合するのである、この意味に於て、生は寄であり死は帰である...
種田山頭火 「一草庵日記」
...酒も貰へるかも知れない、乞食根性をだすなよ)月の葉ぼたんへ尿してゐる誰もが忙しがつてる寒月があつた三八九の原稿を書くのに、日記八冊焼き捨てゝしまつたので困つた、しかし困つても、焼き捨てたのはよかつたらう、――過去は一切焼き捨てなければ駄目だから、――放下了也...
種田山頭火 「行乞記」
...けさ、顔を洗ふ水が濁つてゐたのは、旅情をそゝつた、此頃、彼(マヽ)かにつけて寂しがる癖になつた、放下着、々々々...
種田山頭火 「行乞記」
...放下着――何と意味の深い言葉だらう...
種田山頭火 「其中日記」
...ねむれない夜の百足が這うてきた這うてきて殺された虫の夜がふける日だまりの牛の乳房草の青さで牛をあそばせてゆふべ・てふてふつるまうとするくもり暮れてふるさとのぬかるみをさまよふ五月四日放下着、放下着...
種田山頭火 「其中日記」
...放下着、死生の外に...
種田山頭火 「其中日記」
...放下着、放下着の外に何物もない、何物もないのが放下着だ...
種田山頭火 「其中日記」
...六月六日晴、勉強しよう、一切放下着、クヨ/\するな...
種田山頭火 「其中日記」
...……放下着する外ないとすれば...
種田山頭火 「其中日記」
...そしてまた放下着...
種田山頭火 「其中日記」
...これから心そのものの放下着だ...
種田山頭火 「其中日記」
...酒に対する執着を放下しないかぎり...
種田山頭火 「其中日記」
...自我放下!十一月十八日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...一切放下着、身辺を整理せよ、むしろ心内を清算せよ...
種田山頭火 「其中日記」
...――放下着、――善悪是非も利害得失も生死有無もいつさいがつさいみんないつしよに...
種田山頭火 「其中日記」
...旅行延期、身辺整理、一切放下着、々々々...
種田山頭火 「其中日記」
...――一切放下着、――無為無念であれ...
種田山頭火 「道中記」
...すなわち十丈の竿のさきにのぼって手足を放って身心(しんじん)を放下(ほうげ)するごとき覚悟がなくては...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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