...内の梅花の宴からの御歸りに御車の牛が放れて...
芥川龍之介 「地獄變」
...もう釘づけになって艦橋から放れない...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...やがて夜は明け放れた...
海野十三 「白蛇の死」
...蠅男にはまだ人間放れのしたもの凄く頑強な右腕の残っていたことを忘れていたのだ...
海野十三 「蠅男」
...映画などは不良少年少女の見るものであるといったような時代放れのした気持が...
寺田寅彦 「教育映画について」
...それがまた飛び放れて...
中里介山 「大菩薩峠」
...放れ業の馬力をかけた方がよろしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...タカが一匹の放れ馬のために...
中里介山 「大菩薩峠」
...節々の痛む体を無理に起して寝床から放れた...
中戸川吉二 「イボタの虫」
...剣は手を放れて彼方の叢(くさむら)へ飛んでいた...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...消防の梯子乗りの格でいろいろの放れ業を見せる...
山本笑月 「明治世相百話」
...しかしそれよりも彼は自分の心が三島から放れて行きつつあるのを知つて恐ろしくなつて來た...
横光利一 「悲しみの代價」
...一人一人自分の友人に猜疑心を向けてかかる自分、何の謀計もない親しい者に絶えず脅やかされてゐる自分、さうして、それらの友からただそれだけの自分の不純な氣持ちからばかりで放れて行かうとし、放れて來た自分、それにまだ今、最後に一人殘つた親友の三島にも警戒を感じようとした自分を思つたとき、彼はもう自分を輕蔑する以上に、自分に對して反逆したくなつて來た...
横光利一 「悲しみの代價」
...その知人から一人放れた俺は俺の社會から滅びたのも同じなわけだ...
横光利一 「悲しみの代價」
...俺の心は君と放れたくはないのだ...
横光利一 「悲しみの代價」
...彼は自身の心が肉体から放れて自由に彼に母国を忘れしめようとする企てを...
横光利一 「上海」
...一つは思いが我を放れて空へと集った結果であろう...
横光利一 「北京と巴里(覚書)」
...空はすっかり明け放れ...
吉川英治 「私本太平記」
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