...敵を衝く飢鷹の餌を攫むが如くなる...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...新たに生命を攫む者は過去の生命を殺さなければならぬ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...富裕な家に生れて攫むべき機會は幾何(いくら)も與へられながらそれに對して冷淡な事は驚く計りである...
有島武郎 「半日」
...風説は雲を攫むように漠然として取留めがなく...
内田魯庵 「四十年前」
...要は「たましひ」を攫むか攫まないかにある...
相馬御風 「実物と模型」
...そこを深く攫むことが肝心である...
田山録弥 「くつは虫」
...妻が夫の魂を攫むことが出来ないがために...
田山録弥 「須磨子の死」
...しかしお互ひに魂までを深く攫むといふことは非常に難事だ...
田山録弥 「須磨子の死」
...機会を二度まで攫むことは躊躇したが...
田山花袋 「蒲団」
...爪に攫むは巨大なる血紅色の凄き蛇...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...苦惱に高く呻めきつゝ血潮に染める塵攫む...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...吾々は之を攫むことによって幾何学を分類することが出来る筈である...
戸坂潤 「幾何学と空間」
...空間一般の関係と云っても図形を離れて之を攫むことは出来ない...
戸坂潤 「幾何学と空間」
...純造の首ツ玉をギユツと攫むだ...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...奴は両腕で私の脚を攫むや有無なくぽきりと折つてしまつた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...十八計なる女の加賀の單なる絹に猿猴が手して美しき男攫むさま...
三田村鳶魚 「女順禮」
...木の幹を攫むやうにしてゐる...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
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