...自分の呼氣(いき)が温かな靄の樣に顏を撫でる...
石川啄木 「菊池君」
...顔を出したら……」と沢屋は禿げ上った額をつるりと撫でるようにしてソフト帽をかぶり自転車に片脚をかけて...
犬田卯 「瘤」
...女は不意を打たれて、「びツくりするぢやないか」と、胸を撫でる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...曇った空から冷やりと来て風が額を撫でる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...「それほどでもねえのさ」と顋(あご)を撫でるところなどは...
中里介山 「大菩薩峠」
...撫でる掻くと云う心持ちはある...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...そうツと撫でるやうに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そうッと撫でるように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...若旦那を窮命(きうめい)させる心持さへ通ればよかつたんで」番頭の宗助は實直らしい額を撫でるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...体がゆらいで火炎に近づくたびに焼けた空気が貌を撫でるのだ...
北條民雄 「いのちの初夜」
......
槇本楠郎 「さらわれた兄よ」
...(なつかしさうに撫でる...
三好十郎 「地熱」
...おかげで三人の国侍とはとうとう会わずでございました」「ご苦労をなさいますね」梅八はいたわりを籠めた眼でかい撫でるように娘を見た...
山本周五郎 「新潮記」
...この感じは手で撫でることができるほどはっきりしている...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...夏の朝の何ともいえない温蒸(うんじょう)がむっと顔の脂(あぶら)を撫でるのであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...てれ隠しに顔を撫でる...
吉川英治 「親鸞」
...真紅(しんく)の花と太陽の狂いあう夏の日を思わせるような性質のあるお通の一面に――こんな冷やかな――まるで白い蝋石(ろうせき)を撫でるような感じのする――そして指を触れれば切れそうな厳しい性格が...
吉川英治 「宮本武蔵」
...真っ白なアゴ鬚をのべつ手のひらで横に撫でる...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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