...詣づる人又人の手に撫でられて...
石川啄木 「葬列」
...詔(みことのり)をくだして撫軍に名馬と衣緞(いどん)を賜わった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「促織」
...長い頭髪を撫で上げた...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...ここぞというところで撫斬(なでぎ)りにしてしまうのだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...両眼(りょうがん)の上瞼(うわまぶた)を上から下へと撫(な)でて...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ぬきんでて鎮撫(ちんぶ)の大任を命ぜられ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それを撫(なだ)めるためだつたさうですよ」「そんなことだらうな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...長んがい頤を撫でて居るのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...泣くな」平次はお崎を撫(なだ)めながら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...だから私は、R氏が主に向つてくれぐれも慇懃に私のことを頼んでゐたが、私はほんたうの聾者になつて何も聞かず、たゞR氏の背後にむつくりと端坐したまゝ碌なお辞儀ひとつしないで、長槍や薙刀などが掛つてゐる鴨居のあたりへ凝つと視線を反らせながら、折々突調子もない咳払ひをあげたり、頤を撫でたり、そしておそらく吾知らずに悠々と腕を挙げ降ししてゐたに相違ない...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...眼玉をクリクリと動かして片方の脚でそれを撫でた...
牧野信一 「若い作家と蠅」
...目だつ色を作って咲いた撫子(なでしこ)を折って...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...母益は慰撫のために琴を弾じて夜闌(やらん)に及んだことさへあるさうである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...しかしそういう日に撫子(なでしこ)を飾りにすることも空想なれば...
柳田国男 「木綿以前の事」
...「葛西は九月いっぱいでひきあげた」とさぶは額を撫でながら云った...
山本周五郎 「さぶ」
...まさか俺に惚れたんじゃあるまいが……と思わず自分の顔を撫でまわしてみたくらい...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...愛撫をみせずにいられなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...そして、座に請(しょう)じ、肩を撫でて、「よういたして来た...
吉川英治 「新書太閤記」
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