...ただ密室に安置して、朝に晩に観賞したり、愛撫したり、誰れも知らぬ秘密の喜びに浸っていたかったのでしょう...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...形のくずれた銀杏返(いちょうがえ)しの鬢(びん)のほつれ毛を撫(な)で付けもせず...
近松秋江 「黒髪」
...大きい手で顔を撫(な)でたり...
徳田秋声 「足迹」
...幕府の親藩にして朝廷に最も縁故ある水戸を馴撫(じゅんぶ)せり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...額を撫(な)でながらその手を見ると...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...円い頭をぐるぐる撫(な)でた...
夏目漱石 「それから」
...たまさか縁側へ来た犬を愛撫されていたのは時折見た...
額田六福 「解説 趣味を通じての先生」
...あわてて壜の尻を撫でてみると...
久生十蘭 「魔都」
...悲しくも彼女の甘き愛撫を思い...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...安堵の胸を秘かに撫で降した...
牧野信一 「川を遡りて」
...ツルリと抜け上がった額を撫でながら圓朝は...
正岡容 「圓太郎馬車」
...目で見たのと手で撫でたのとはどうしても感じが違う...
宮城道雄 「触覚について」
...外を撫でて字をよむ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...丁寧に手の平で撫でた...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...お前は……」と優しく背中を撫でてくれたのです...
夢野久作 「少女地獄」
...ツルリと顔を撫でまわした...
夢野久作 「復讐」
...これへ来る前に剃(そ)ったばかりの髯痕(ひげあと)を撫(ぶ)して...
吉川英治 「新書太閤記」
...あたりを撫で廻してみると...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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