...そして或る世界が――時間と空間をさえ撥無(はつむ)するほどの拡がりを持った或る世界が――個性の中にしっかりと建立(こんりゅう)される...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...憎愛の二極を撥無(はつむ)して...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...凡てを撥無してもなほ飽き足らない戀人の熱情を髣髴させるのだ...
有島武郎 「詩への逸脱」
...とにかく相互の熱情熱愛に人畜の差別を撥無(はつむ)して...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...酔は時空を超越する、いや撥無する、昼夜なく東西なく、酔境は展開する!□机上のみだれたるは心中のみだれたるなり...
種田山頭火 「其中日記」
...泥酔は一切を撥無する...
種田山頭火 「其中日記」
...人畜(にんちく)の差別(さべつ)を撥無(はつむ)して...
二葉亭四迷 「平凡」
...その評論は縱令(たとひ)絶對の上よりしても實相を撥無(はつむ)すべからず...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...顯象世界を撥無したる上の事となすを以て...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...早く神を撥無(はつむ)したわたしも...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...ただ一切分別の念を撥無(はつむ)した最も直接なる体験においてのみ感得せられる...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...一つは世上の価値の差別を撥無(はつむ)することである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...ここに現象と本体との区別は全然撥無(はつむ)される...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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