...わたしは郵便局などなくても一向にこまらない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...もとより物語も一向に進展を見せてない...
高見順 「如何なる星の下に」
...一向にふとらないのだもの...
太宰治 「失敗園」
...独逸語の巻物なぞは一向に問題でなく...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...本当に善人の方を見分けるのはむずかしいんでございますよ」「はあ! わしには一向にわかりませんが」ブラウンはただこれだけ答えるとそのまま部屋を出ようとした...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...口が一向に無調法な女であった...
徳田秋声 「新世帯」
...一向にはえないものかも存じませぬが...
豊島与志雄 「エミリアンの旅」
...歌詞そのものは一向にわからないで...
中里介山 「大菩薩峠」
...一向にひるまない...
中里介山 「大菩薩峠」
...それが一面に茂つてゐる雜草のどの邊であるのかすら一向に見分けがつかなかつた...
堀辰雄 「恢復期」
...大名の居らんところには家臣団も居らんはずじゃが――蝦夷人の大名があったや否やについては一向に存じとらんが...
本庄陸男 「石狩川」
...それが斉整均等なる輻射相称の形を呈せるカキツバタの花容とは一向に合致しない...
牧野富太郎 「植物記」
...その疾(はや)く放棄せられた研究心はその長寿に比べては一向に御芽出度く無い...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...私は一向に気にせず押えるだけは自由に押えて行けとその傍の机上で植物の記事などを書いていました...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...そこで私は根岸の病人何がしであるが最早御庁(おんちょう)よりの御迎へが来るだらうと待つて居ても一向に来んのはどうしたものであらうか来るならいつ来るであらうかそれを聞きに来たのである...
正岡子規 「墨汁一滴」
...そういうわけだからユリの先輩ぶりも一向に発揮されず...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...書物を読んでみても一向に書いてはない...
柳田国男 「木綿以前の事」
...恐らく空気中では最高の速度だといっていいだろう」「すごいもんですね……それにしても一向に震動がないじゃありませんか...
蘭郁二郎 「地図にない島」
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