...一向に気がつかない様子だった...
海野十三 「第四次元の男」
...未だ一向に退化しない人があり...
丘浅次郎 「人間生活の矛盾」
...一向に都会人らしく無いのである...
太宰治 「十五年間」
...けれども一向にうれしくなく...
太宰治 「人間失格」
...それは一向に過ぎたことにならないで依然としてつゞき...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...無自身は一向に媒介されていない無であり...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...わしは一向に変わったとも思わなかった...
富田常雄 「面」
...そしてこの場合、ドン・キホーテの懐抱する理想がたとい理想としての価値しか持たないものであろうとも、一向に差支ない...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...時ならぬ若芽などは一向に出ませんでした...
豊島与志雄 「古木」
...そつと訊ねて見たが一向に応へがない...
牧野信一 「円卓子での話」
...右フルホンムシは一昨年私がその標品を加藤氏に送る迄は一向に昆虫学者の注意を惹かないものであった...
牧野富太郎 「植物記」
...今日男女の青年たちの或るものが、形式ばった挨拶だけは上手で、一向に公徳心も、若者らしいやさしさもない心でいるのは、形式一点ばりであった軍事的教育の害悪です...
宮本百合子 「新しい躾」
...一向に注意もしなければあやしみもしなかった物であった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...男たちは騒々しいばかりで一向に纏(まと)まったことも言わぬが...
柳田国男 「木綿以前の事」
...玄蕃の首を見ても一向に喜ばず...
吉川英治 「剣難女難」
...朝夕一向に念仏すれば...
吉川英治 「新書太閤記」
...だが今は、黙って退こうという気持は、一向になかった...
蘭郁二郎 「植物人間」
...一向に」「そうですか...
蘭郁二郎 「白金神経の少女」
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