...「見てくれ」のおどかしが一向に無い...
石川欣一 「可愛い山」
...一向に見あたりません...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...傷は致命傷だったと見えて苦しみもがいた様子は一向になかった...
海野十三 「ネオン横丁殺人事件」
...一向におそろしくも何とも無い...
太宰治 「お伽草紙」
...此の先生からは一向に予定の反応を呼出すことが出来なかつた...
寺田寅彦 「蓑田先生」
...一向に知能(之は一種の人類的本能にも数えられよう)の発達していない分子は...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...一向に構わんじゃないか...
豊島与志雄 「怒りの虫」
...拙者共は一向に不案内...
中里介山 「大菩薩峠」
...どれが曲者やら一向に見當はつかない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一向にそれを聽かないのは當然である...
萩原朔太郎 「酒に就いて」
...一向にぴんと来ないとなれば...
林芙美子 「浮雲」
...その疾(はや)く放棄せられた研究心はその長寿に比べては一向に御芽出度く無い...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...このムジナモは緑色で、一向に根はなく、幾日となく水面近くに浮んで横たわり、まことに奇態な姿を呈している水草である...
牧野富太郎 「ムジナモ発見物語り」
...歌よみに與ふる書仰(おほせ)の如く近來和歌は一向に振ひ不申(まをさず)候...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...空は灰色に曇って気分も一向に冴えない...
松濤明 「春の遠山入り」
...一向に凹まされなんぞはしない...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「墓地へゆく道」
...後に来る者に引継いで行ったものばかりでいわゆる智慮(ちりょ)ある人々は一向にこれに干渉していないのであった...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...一向に働こうとしない父を毒づく...
山川方夫 「その一年」
便利!手書き漢字入力検索