...だが一向に、太刀風が聞えてこない...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...不思議にも硝子の破片(はへん)は一向に飛んで来ません...
海野十三 「崩れる鬼影」
...一向に可笑しくない掛合咄をしているうちに...
海野十三 「深夜の市長」
...一向に見当らない...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...これが一向に見覚えのない...
大阪圭吉 「花束の虫」
...それが今年は一向に湧き上って来なかった...
豊島与志雄 「自由人」
...一向に考慮が払われていない...
豊島与志雄 「風俗時評」
...善導は一向に不分明なりといひ...
内藤湖南 「敬首和尚の典籍概見」
...一向に巴里(パリー)を離れず...
永井荷風 「銀座」
...智者のふるまいをせずして一向に念仏すべし...
中里介山 「法然行伝」
...一向に話の埒(らち)はあきませんが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...八五郎一人では一向に埒(らち)があきません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私は恭次郎さんの詩は一向に判らない...
林芙美子 「新版 放浪記」
...それが一面に茂っている雑草のどの辺であるのかすら一向に見分けがつかなかった...
堀辰雄 「恢復期」
...または広江勇博士の『最新応用菌蕈学』等の諸書にはこの楯形を呈した品すなわち forma は一向に書いてないところをもってみると...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...一向に路らしいものが見えず...
松濤明 「春の遠山入り」
...馬淵は一向にこちらの気もちを汲まず...
矢田津世子 「神楽坂」
...一向に爲事(しごと)の捗(はかど)らぬその間にまた行李を解いて萬葉集を取り出してぼつ/\と讀み始めた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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