...一向におもしろくない...
伊藤左千夫 「廃める」
...一向に可笑しくない掛合咄をしているうちに...
海野十三 「深夜の市長」
...二人は一向に悪(わる)びれた様子もなく...
海野十三 「千早館の迷路」
...この節では一向に客がつかない...
豊島与志雄 「田園の幻」
...結婚前に期待していたとは一向に似ても似つかぬ...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...後には法然の弟子となって一向に念仏する...
中里介山 「法然行伝」
...射られた本人は一向に気づかず...
中島敦 「名人伝」
...ストツクホルムから程近いモルトナス島のゼッテルベルグ老人の別荘へ昨日から度々電話を掛けてみるのだが一向に返答がない...
南部修太郎 「死の接吻」
...「一向に覺えは御座いません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一向に面白くも何んともない樣子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...田部との久々の出逢ひにも一向に燃えては来なかつた...
林芙美子 「晩菊」
...一向に当を得ていないことはこの名誉ある好辞典としてはこの謬説まことに惜むべきである...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...私は一向に気にせず押えるだけは自由に押えて行けとその傍の机上で植物の記事などを書いていました...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...そをいかにというに他の人は言うまでもなく真淵の歌にも生が好むところの万葉調というものは一向に見当(みあたり)不申候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...今日男女の青年たちの或るものが、形式ばった挨拶だけは上手で、一向に公徳心も、若者らしいやさしさもない心でいるのは、形式一点ばりであった軍事的教育の害悪です...
宮本百合子 「新しい躾」
...大徳寺の方では和尚一向にそんな覚えがないとある...
柳田国男 「山の人生」
...変った事はないか』『一向にない』『訪客(きゃく)は?』『きのうは...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...一向に為事がはかどらない...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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