...併し「生存の爲の關心」を撥ね退けた力が爾後の生活にとつて無意味に了る譯はない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...凡てを撥無してもなほ飽き足らない戀人の熱情を髣髴させるのだ...
有島武郎 「詩への逸脱」
...そして泥汁(どろ)を撥(は)ね上げぬ樣に...
石川啄木 「葬列」
...すると撥形鶴嘴(ビーター)は恐ろしい勢で...
大阪圭吉 「気狂い機関車」
...大勢の神をば坂の上に追い伏せ河の瀬(せ)に追い撥(はら)つて...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...撥雲(はつうん)の角を贈るのだ」その怪物は二本の角を持ってきて...
田中貢太郎 「太虚司法伝」
...戦争と力への反撥――そういったものを取材(テイマ)とする絵が芸術であっていいかどうかは第二の問題として――かれの絵は最も端的にそれを摘出し...
谷譲次 「踊る地平線」
...きっぱり撥(は)ねつけたと云うのである...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...さういふ章助の態度に反撥を感じた知吉は...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...まさかの時にはいつ何時撥(ばち)をもつことにならないとも限らないので...
徳田秋声 「縮図」
...――反撥しようという気はないのか...
豊島与志雄 「死ね!」
...それは本能的に私を反撥させるものを持っていた...
豊島与志雄 「常識」
...デカダンな生活をすることが当時の実生活の空気に対して程よい反撥となつたのである...
中原中也 「アンドレ・ジイド管見」
...すると雪子はばねに撥(はじ)かれたように起ちあがって...
平林初之輔 「秘密」
...と思って安心しました」と反撥してみたが...
北條民雄 「いのちの初夜」
...或は撥(はじ)き合うのかと...
宮本百合子 「女の歴史」
...手近にあった差撥を短槍の先に引ッかけて...
吉川英治 「新・水滸伝」
...撥(ばち)をおいて...
吉川英治 「親鸞」
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