...凡てを撥無してもなほ飽き足らない戀人の熱情を髣髴させるのだ...
有島武郎 「詩への逸脱」
...われは身を脱せんとして撥條(はつでう)に觸れたり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...予(あらかじ)め貴女の処女性反撥力(しょじょせいはんぱつりょく)といったようなものを験(ため)しておきたかったのです」帆村は...
海野十三 「什器破壊業事件」
...あの切通で使った撥形鶴嘴(ビーター)であると推定されるのは...
大阪圭吉 「気狂い機関車」
...労働者と農民とが私たちに向けて示す憎悪と反撥とを...
太宰治 「虚構の春」
...本館で聞いても参事官官舎で聞いても何の要領も得ず太子はお帰りになったの一点張りで突っ撥(ぱ)ねられてしまった...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...そして釣瓶の水が井戸の中で撥ね散る音に耳を澄まして...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「女房ども」
...撥(ばち)をもった手に再び革剥(かわそ)ぎ庖丁(ぼうちょう)が取りあげられた...
徳田秋声 「縮図」
...所謂方法論などが仮定するように相互に反撥するものではない...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...「エエしまった!」米友の突き出す槍を兵馬は下からすくうて撥(は)ね返してしまったらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...生前の伯父に対して必要以上の反撥を感じていたその反動で...
中島敦 「斗南先生」
...その研究をして反撥し合っているうちに対者の立場やら長所やらを自然と認めなければならないようになる...
夏目漱石 「文壇の趨勢」
...撥に似るもの胸に来て掻き叩き掻き乱すこそ苦しかりけれ掻き叩きといふから丁度長唄の撥の気持であらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...当時は少くとも鏡に写つた瞬間だけは反撥力を振ひ...
牧野信一 「「或る日の運動」の続き」
...それを反撥するところ迄は新鮮だが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それからあの手短に撥ね附けた処が...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...彼の反撥(はんぱつ)を小当(こあた)りにあたってみるような小競(こぜ)り合いを繰り返していたものである...
吉川英治 「新書太閤記」
...それへ撥(ばち)を当てるとしたら...
吉川英治 「宮本武蔵」
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