...』と信吾が最先に一片摘む...
石川啄木 「鳥影」
...岡に摘む花、菫ぐさ、草は香りぬ、君ゆゑに、素足の「春」の君ゆゑに...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...手には友達のよかずつと大きな葉つ葉を摘むで...
薄田泣菫 「茶話」
...春寒(はるさむ)のよりそひ行けば人目ある大正十四年二月草摘(くさつみ)に出し万葉の男かな草を摘む子の野を渡る巨人かな大正十四年三月春宵(しゅんしょう)や柱のかげの少納言(しょうなごん)大正十四年三月白牡丹(はくぼたん)といふといへども紅(こう)ほのか雨風(あめかぜ)に任せて悼(いた)む牡丹かな大正十四年五月十七日 大阪にあり...
高浜虚子 「五百句」
...春空雲なくなまけものとしなまけてゐる・春蝉もなきはじめ何でもない山で・裏からすぐ山へ木の芽草の芽・けふも摘む蕗がなんぼでも・みんな芽ぶいてゐる三日月・三日月さんには雲かげもなくて四月廿九日天長節日和とでもいはうか...
種田山頭火 「其中日記」
...――蓬摘む女の姿...
種田山頭火 「其中日記」
...摘むべき人の手がない野にあっても...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...雛菊(ひなぎく)の花弁をむしり取ることはすなわち愛情を摘むことだなどとは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この花を摘む気にはなれない...
中里介山 「大菩薩峠」
...おゝ! 蜜月はそのかずかずを摘むのであらう...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...畑に俺が摘むものは野蒿苣(のぢしや)に菫だ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
......
萩原朔太郎 「短歌」
...食う為めにセリを摘む事は昔からする事であるから古歌にはまたツミマシグサともいった...
牧野富太郎 「植物記」
...その歌は「一夜ぐさ夢さましつゝ古への花とおもへば今も摘むらん」...
牧野富太郎 「植物記」
...地面の草を摘む真似をしたりした...
松永延造 「職工と微笑」
...水著(みづぎ)すがたの脛白(はぎじろ)となでしこを摘む楽しさは女のわたしの知らぬこと...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...春が来たとて外へ出ず、自分の書いた絵の中と、自分の作る歌の中、其処で摘む、独りで摘む...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...新しき心をもちて悲しくも平家の人のごとくたゞよふ世に住めど大原山のこゝちして淋しき花をひとり摘むかな大正八年暮秋 与謝野寛とある...
吉川英治 「随筆 新平家」
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