...大方(おおかた)椅子の揺れるせいであろう...
芥川龍之介 「MENSURA ZOILI」
...対手(あいて)は手拭(てぬぐい)も被(かぶ)らない職人体のが、ギックリ、髪の揺れるほど、頭(ず)を下げて、「御免なすって、」と盗むように哀憐(あわれみ)を乞う目づかいをする...
泉鏡花 「婦系図」
...家が潰れる位ひどく揺れるので...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...隙(ひま)漏る風に手燭の火の揺れる時怪物のようなわが影は蚰蜒(げじげじ)の匐(は)う畳の上から壁虎(やもり)のへばり付いた壁の上に蠢(うごめ)いている...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...椿(つばき)がふらふらと揺れる...
夏目漱石 「草枕」
...胃に響けるほど揺れる...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...黒い髪が藻(も)のように揺れると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...怪奇な影法師が揺れる下で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...他愛もなくフラリフラリと揺れるのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...まるで壁全体が揺れるように見える...
久生十蘭 「魔都」
...第一の部分「揺れる樹々」につづいて「聴きわけられぬ跫音」そのほか「崖の上」「白霧」「蘇芳の花」「苔」などという小題をもって...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第六巻)」
...新らしい私の部屋新らしい六畳の小部屋わたしの部屋正面には清らかな硝子の出窓をこえて初春の陽に揺れる松の梢や...
宮本百合子 「海辺小曲(一九二三年二月――)」
...目白の表通りにある三本の大きい欅(けやき)の木が揺れる房のように見えている...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...多くの場合に右にも左にもまったく同じように揺れる*から...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...鹿の斑点に揺れる歯朶の歯のさわさわと風のように移動していく山面を見ていたり...
横光利一 「馬車」
...青柿の葉裏にちらちら揺れる水面の照り返し...
横光利一 「夜の靴」
...舟が揺れるじゃねえか...
吉川英治 「大岡越前」
...その人も凝と鉄道馬車の揺れるがまま居眠ってでもいるように澄ましていた...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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