...そして左頬の下へぶら下った偉大なる肉塊――それが歩くたびにゆっさゆっさと顔面と共に揺れる...
犬田卯 「瘤」
...それとも先生の乗った味噌樽があまりにガタガタ揺れるので樽酔いがしたのであろうか...
海野十三 「蠅男」
...左右に揺れる度に彼の手にした蝋燭の焔がチロチロと隠顕した...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...船はひどく揺れる...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「グーセフ」
...鎖の揺れるたびごとに...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...隙間風に燭台(しょくだい)の灯がちらちらと揺れる...
中島敦 「光と風と夢」
...小せえ船はよう揺れるだ...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...揺れる闇黒の奥へ...
林不忘 「あの顔」
...揺れるたびに啜り込む...
原民喜 「夏の日のちぎれ雲」
...風に吹かれて揺れるものといえば...
久生十蘭 「生霊」
...ものをいうたびに波のように揺れるぽってりとした賢夫人の口もとを...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...私は風に揺れる草の中に転んで何者かに許しを乞うた...
松永延造 「職工と微笑」
...「ナヰフル」すなわち「地面が揺れる」と言う子どもじみた表現をしたのである...
武者金吉 「地震なまず」
...籠の揺れるのを怯(おそ)れてか...
森鴎外 「雁」
...参木は揺れる工女の中で暴れている壮漢を見た...
横光利一 「上海」
...妻は嬉しさに揺れるような微笑を浮べて彼にいった...
横光利一 「花園の思想」
...横に顕れた千鶴子の膝頸のかすかに揺れるのを一寸見ると...
横光利一 「旅愁」
...微かな火光も洩らすまいと、船窓にも入口にも帳(とばり)を垂れているが、時折どうと船体をうつ波音に灯も揺れ、杯の酒も揺れる...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索