...私はまた体に微かな揺らぎを感じた...
徳田秋聲 「余震の一夜」
...砲尾に群がりし砲員の列一たびは揺らぎて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...風のためというよりもむしろ小鳥の巣から来るらしい静かな五月の揺らぎをしていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...壁は揺らぎ、石は落ち、裂け目は音をたてている...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その陰惨なる息吹(いぶき)の下にある王の頭の呆然(ぼうぜん)たる恐ろしい揺らぎ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...黄色い吸口のある仄暗い花をばかざしたその時私は膝つく女のやうであつた半島はわが船近く揺らぎつつ金褐の目の怪鳥の糞と争ひを振り落とす...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...遠くにきこえる物音や窓の向に見える緑色の揺らぎが...
原民喜 「夢と人生」
...その「死」は僕の柔かい胸のなかに飛込んで不安げに揺らぎ羽搏くのだった...
原民喜 「夢と人生」
...彼のナポレオンへの忠誠心が揺らぎ始めた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...末代まで揺らぎ無きこの入道の一世の威厳を示すもの...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...思いがけないほど自分の心が揺らぎ出しているのを...
堀辰雄 「ほととぎす」
...息子の影が彼自身より先きに家のなかに揺らぎ入って床の上に長く映った時にも彼女は気がつかなかった...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「漁師」
...入口のカーテンが微かに揺らぎ残っているだけであった...
夢野久作 「継子」
...燈火の火色はたえず揺らぎ...
吉川英治 「新書太閤記」
...なお人間の気持はいつ崩れるか揺らぎ出すか知れないものであった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...やわらかな明滅となって揺らぎ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その微かな燈心の揺らぎで見返しても――また合点のゆかないふしがある...
吉川英治 「宮本武蔵」
...水の揺らぎが遠く丸く...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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