...其手だけは源氏の白旗を握る小萬の手の如く緊乎と握り合ひつつ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...海野は熱し詰めて拳(こぶし)を握りつ...
泉鏡花 「海城発電」
...もうとても二人きりでは手を握り合うことも出来まいと思ったのに...
伊藤野枝 「わがまま」
...次に鋭き長鎗をしかと其手に握り持つ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...衆は即ち伐木の鋭利の斧を手に握り...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...「いやいや!」と刑事はホームズの気の抜けた手を握りしめ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...彼女の魂を裳でぎゅっと握りしめるようなものだった...
豊島与志雄 「立枯れ」
...握り合せてる両手で脇を押えた...
豊島与志雄 「広場のベンチ」
...拳(こぶし)を握りしめ両腕を十の字にひろげて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...小意気な味の握り鮨と...
直木三十五 「南国太平記」
...二人は牛がどうとかいふことを符貼交りに云うて平内さんが相手の袂へ手を入れて二人で握り合うたと思つたら平内さんは其癖の大聲を出してそりやあんまり安く買つたなあといひながら口を鉗んで向鉢卷した頭を横に曲げた...
長塚節 「佐渡が島」
...一と握りほどの中老人です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...美津江の手をとつて握り締めてゐる...
林芙美子 「雪の町」
...ステッキの握りも金...
火野葦平 「花と龍」
...ピューッと握り拳固めて...
正岡容 「小説 圓朝」
...この残りの握り飯は持っていって下せえ...
三好十郎 「樹氷」
......
山之口貘 「山之口貘詩集」
...そうかと思うと沖買いの呼吸(コツ)を握り込んで「売るなら買おう」「買うなら売るぞ」「捕るなら腕で来い」といったスゴイ調子で南鮮沿海を荒しまわる事五年間……忰(せがれ)の友太郎も十歳(とお)の年から櫓柄(ろづか)に掴まって玄海の荒浪を押し切った...
夢野久作 「爆弾太平記」
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