...ペンは始めて見る室々の怪奇さに、揉み手をしたり、目を大きく剥いたりして昂奮という態であった...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...これらの数値によって不要なる贅肉(ぜいにく)は揉み出して切開除去されるのだ...
海野十三 「大脳手術」
...」憲法学者は二日酔ひの顔を手帛(ハンカチ)のやうに両掌(りやうて)の掌面(てのひら)で揉みくしやにした...
薄田泣菫 「茶話」
...そして、又蔵が、七瀬の足を揉み、綱手が自分の腓を揉んでいる時、往来から、道中合羽を着た男が、覗き込んだ...
直木三十五 「南国太平記」
...揉み合っているところです...
中里介山 「大菩薩峠」
...揉み方がやわらかである――お銀様は...
中里介山 「大菩薩峠」
...だから揉み療治などと云ってそう無闇と軽蔑すべきものではないだろう...
中谷宇吉郎 「痛みの効用」
...目黒の方へ揉みに揉んで馳け付けました...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...一団になって揉み合うその三人の上へ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...包んだ紙を揉み碎(くだ)くと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...迷っておりました」忠助は額(ひたい)を揉み込むように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...出羽あたりへ落ちることになるのだが」深志は揉み手をしながら...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...揉み合って一歩ずつ...
宮本百合子 「概念と心其もの」
...火はすぐに揉み消すことが出来た...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...まるで洗濯石鹸(あらいしゃぼん)を揉むようで……その水を汲み換え汲み換え泡の影が無(の)うなるまで揉みました奴の三杯酢を肴(さかな)にして一杯飲もうモノナラその美味(うま)さというものは天上界だすなあ...
夢野久作 「近世快人伝」
...病父の體を揉みつけてゐたので...
吉川英治 「折々の記」
...がやがやと別になって揉み合っていた...
吉川英治 「銀河まつり」
...そして湯を揉み、唄をうたい、煮ゆるごとき湯の中に浸って、やがてまた全身を脱脂綿に包んで宿に帰ってゆく...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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