...柳原ものではあるまいかと思われるような上下色沢の不揃いな金モール服が何と六百何円――貧乏村の校長氏の高等官七等の栄誉を飾るためにこの瘤村長は通学児童の筆墨代をせしめたのである...
犬田卯 「瘤」
...罵倒のこえを尻目に勢揃いして意気揚々と引きあげた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...声楽の大天才揃いの珍妙きわまる合唱を行い...
太宰治 「惜別」
...それから「ブランデスの近世ヨーロッパ文学史」(八畳のタタミの上の書架に七冊揃い)の一読をすすめる...
戸坂潤 「獄中通信」
...特に買ってくれたのが右の保元平治物語の十冊揃いである...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...化粧映えは勿論白粉の粒子の大きさや粒の大小の揃い方などにもよるのであるが...
中谷宇吉郎 「霜柱と白粉の話」
...長短不揃いなのが三本...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...吝嗇漢のお揃いとけつからア...
野村胡堂 「礫心中」
...といわれる人物が勢揃いしている...
火野葦平 「花と龍」
...これは揃いの純白のエプロンをつけた娘たちに申し出ればよかった...
山川方夫 「その一年」
...揃いも揃った赤い湯もじ一貫の丸裸体(まるはだか)で髪をオドロに振乱しているのには仰天した...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...これは東京随一の不良少女享楽団が全部揃いで持っているもので...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...みなお揃いでお出ましとか」家々では...
吉川英治 「私本太平記」
...武門第一の苦労人揃いの家中――という得難い堅実性をもその基礎に持つものとなっていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...お居間へお揃いあるようにとの...
吉川英治 「新書太閤記」
...白龍廟(はくりゅうびょう)に仮の勢揃いのこと「たれの落度でもない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...揃いましてございますが」「ひとり...
吉川英治 「新・水滸伝」
...だが、おもしろいことには、こういう流転や倉塵(そうじん)の不遇をつづけて来た名画が、揃いも揃って、一堂に展列され、天覧に供せられたことがある...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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