...火を焚きつけるもの、灰を掻くもの、或は、新しい白木の桶(をけ)に、「あまづらみせん」を汲んで釜の中へ入れるもの、皆芋粥をつくる準備で、眼のまはる程忙しい...
芥川龍之介 「芋粥」
...反対(あべこべ)に芸妓から素破抜かれて頭を掻く人もある...
石川啄木 「菊池君」
...『今晩、三河屋會食の約あるを忘れたるか』と、天隨君に注意せられて、更に又頭を掻く...
大町桂月 「梅の吉野村」
...鶴子さんは自分から毛筋で鬢を脹らませ、鬢櫛で鬢を掻く...
高濱虚子 「俳諧師」
......
種田山頭火 「草木塔」
...いやはや」そう言って首筋を掻く平次だったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...うつかり無心にも來られねえ」ガラツ八は面目次第もない頸筋をポリポリ掻くのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...首筋を掻くのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一枚買ひましたよ」八五郎はニヤリニヤリと小鬢(こびん)のあたりを掻くのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...主人の寢首を掻く方を選びさうです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...加州の企みの裏を掻くものですか...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...彼が頭を掻いたのは一体どういう訳だろう? いや一般にこういう手合いが頭を掻くのはどういう時だろう? 明日あたり...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...無言で兄の顔を引掻く...
三好十郎 「地熱」
...よその子はよその子にしてわがおもかげをつたふべきにあらずされば何しに羨(うら)やむものぞかく思へどもよその児のよく肥り可愛げなるを見れば畳を掻くごとくくやしきここちすみまかりあとかたもなきわが子のいまはいづこにあらむかと思へばとり返しのつかぬことをせし...
室生犀星 「忘春詩集」
...真紀と顔を見合せて頭を掻く...
森本薫 「みごとな女」
...編むのが爪で掻く動作によるからである...
柳宗悦 「蓑のこと」
...――その裏を掻く戦法だ...
吉川英治 「新書太閤記」
...その時に泣顔を掻くな...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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