...唯意識の表面を掠めるのみで...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...断々(きれぎれ)な事が雑然(ごつちや)になつて心を掠める...
石川啄木 「菊池君」
...斷々(きれ/″\)な事が雜然(ごつちや)になつて心を掠める...
石川啄木 「菊池君」
...チラリと心を掠める...
石川啄木 「天鵞絨」
...結婚する前に一度娘を掠めると云ふやうな風習があるのも...
伊藤野枝 「嫁泥棒譚」
...頭を掠める旅の印象を追っていると...
上村松園 「中支遊記」
...騒めきは掠めるような人声で...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...Bはその傍(かたはら)をそつと掠めるやうにして向うの方へと行つた...
田山録弥 「犬」
...蛍はそのすぐ近くを掠めるやうにして飛んで行つた...
田山録弥 「山間の旅舎」
...いろいろな憧憬(あくがれ)の思ひ出が絵巻のやうにかれの頭を掠めるのであつたけれども...
田山録弥 「ひとつのパラソル」
...彼の心をふと掠めることがあった...
豊島与志雄 「子を奪う」
...ふっと鼻先を掠める匂いのような...
豊島与志雄 「白血球」
...一瞬満ちたりた食後の幻想が僕を掠めるのだつた...
原民喜 「飢ゑ」
...その背中を掠めるやうにして過ぎ去る...
堀辰雄 「手紙」
...にわかにプーンと掠める花麝香のような匂いがあった...
正岡容 「寄席」
...若干の金をも眼に立つところに置いてただで掠める野のものでない証左としていた...
室生犀星 「津の国人」
...複雑な表情が掠める...
矢田津世子 「凍雲」
...地を掠めるやうにして...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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