...唯意識の表面を掠めるのみで...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...上に立つ人の鬢(びん)を掠める...
石川啄木 「鳥影」
...長万部の駅で偶然森山君や中野君と落ち合ったよ」土田は窓を掠める雪景色から私の方へ目を移して...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...蛍はそのすぐ近くを掠めるやうにして飛んで行つた...
田山録弥 「山間の旅舎」
...杜宇(ほとゝぎす)が人を掠めるやうにして鳴いた...
田山録弥 「スケツチ」
...彼の心をふと掠めることがあった...
豊島与志雄 「子を奪う」
...桐の木に止まつて居た鴉が麥の上を掠めるやうにして遙かにさきの木に移つた...
長塚節 「十日間」
...掠めるやうな当惑の色を眼にたゞよはせてゐた...
林芙美子 「瀑布」
...一瞬満ちたりた食後の幻想が僕を掠めるのだつた...
原民喜 「飢ゑ」
...横鬢(びん)を掠めるくらいのところですんでいたはずで...
久生十蘭 「湖畔」
...こやつこそ財宝を掠めるために人間の姿に化けた悪魔で...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...君たちに陣地を棄てよとジュネーヴから命じようとよし!妥協した帝国主義者共の大軍が君たちに襲ひ掛からうと君たち第十九路軍の背後には中国ソヴェート政府が厳存し君たちの前には全世界の同志の差し出す無数の腕がある歩廊に整列しスナップを踏んでおれたちは乗車するおれの頭を掠めるは残された同志あの路地の屋根裏でKは今夜もガリ版を切りDは円い眼鏡の奥から...
槇村浩 「出征」
...ちらりちらりと視野を掠める...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...峯子へきつく迅い掠めるような視線をなげた...
「今朝の雪」
...ベルドオヌの全面を掠めるやうにして...
吉江喬松 「山岳美觀」
...地を掠めるやうにして...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...船乘り達の日頃敵のやうにしてゐる税關の役人等の目を掠めるあらゆる工夫を論じ合つてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...今でもその腐った藁のような土の臭いなどが鼻を掠めることがあると...
若杉鳥子 「雨の回想」
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