...斷々(きれ/″\)な事が雜然(ごつちや)になつて心を掠める...
石川啄木 「菊池君」
...チラリと心を掠める...
石川啄木 「天鵞絨」
...頭を掠める旅の印象を追っていると...
上村松園 「中支遊記」
...長万部の駅で偶然森山君や中野君と落ち合ったよ」土田は窓を掠める雪景色から私の方へ目を移して...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...Kはその傍を掠めるやうにして下りて行つた...
田山録弥 「海をわたる」
...杜宇(ほとゝぎす)が人を掠めるやうにして鳴いた...
田山録弥 「スケツチ」
...彼の心をふと掠めることがあった...
豊島与志雄 「子を奪う」
...ふっと鼻先を掠める匂いのような...
豊島与志雄 「白血球」
...桐の木に止まつて居た鴉が麥の上を掠めるやうにして遙かにさきの木に移つた...
長塚節 「十日間」
...俊寛的な孤獨な氣持ちが心を掠める...
林芙美子 「屋久島紀行」
...横鬢(びん)を掠めるくらいのところですんでいたはずで...
久生十蘭 「湖畔」
...こやつこそ財宝を掠めるために人間の姿に化けた悪魔で...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...その背中を掠めるやうにして過ぎ去る...
堀辰雄 「手紙」
...にわかにプーンと掠める花麝香のような匂いがあった...
正岡容 「寄席」
...さういふ時に私の心を掠める古い記憶はなつかしい...
三好達治 「池のほとりに柿の木あり」
...複雑な表情が掠める...
矢田津世子 「凍雲」
...ベルドオヌの全面を掠めるやうにして...
吉江喬松 「山岳美觀」
...船乘り達の日頃敵のやうにしてゐる税關の役人等の目を掠めるあらゆる工夫を論じ合つてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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