...しかしそれは掛け値なしにほんの咄嗟の出来事だった...
芥川龍之介 「春」
...新らしい随筆とは何(なん)であるか? 掛け値なしに筆に随(したが)つたものである...
芥川龍之介 「野人生計事」
...いつさいの付属品と装飾を取り去られたのちの正味掛け値なしの自分の姿を冷静に評価する機会を持ち得たことはともかくもありがたいことであつた...
伊丹万作 「私の活動写真傍観史」
...従って歴史はほんとうに掛け値なしに逆さまに流れる...
寺田寅彦 「映画の世界像」
...全く掛け値なしに海上のビルディングである...
寺田寅彦 「柿の種」
...しかしその通信の方法は全く掛け値なしに巧妙なものといわなければならない...
寺田寅彦 「変った話」
...そうしてその積分されたものの掛け値なしの正味はと言えば結局科学の収穫だけではないかという気がする...
寺田寅彦 「LIBER STUDIORUM」
...古渡(こわたり)の大變で掛け値なしの大變」「止さないかよ馬鹿々々しい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そいつが掛け値なしの自分です...
三好十郎 「好日」
...掛け値なしだぜ」「まずい酒で悪かったな」と蝶太夫が云った...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...掛け値なしのところで御座います...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
便利!手書き漢字入力検索