...或はまた一介の老人が単に合掌するこの光の圏内に属するかを判じ難いからである...
マルセル・シュヲブ Marcel Schwob 上田敏訳 「法王の祈祷」
...乘客が窓から首を出して合掌するのも京都でなくては見られぬ...
竹久夢二 「砂がき」
...天地人有情非情に合掌する...
種田山頭火 「其中日記」
...私は合掌するより他はなかった...
外村繁 「澪標」
...合掌すると、ただ、無闇に悲しくなって、涙が、いくらでも出て来た...
直木三十五 「南国太平記」
...なお、その振りかざした三十六臂のおのおのの持つ得物得物を調べてみると、合掌するもの、輪(りん)をとるもの、槊(さく)を執るもの、索(さく)を執るもの、羅(ら)を握るもの、棒を揮(ふる)うもの、刀を構えるもの、印を結ぶもの、三十六臂三十六般の形を成している...
中里介山 「大菩薩峠」
...女は光る魚介のたぐひみなそこ深くひそめる聖像われ手を伸ぶれど浮ばせ給はずしきりにみどりの血を流しわれはおんまへに禮拜す遠くよりしも歩ませ給へばたちまち路上に震動し息絶ゆるまでも合掌すにちにち都に巡禮しもの喰(は)まざればみじめに青ざめおん前にかたく瞳(め)をとづる...
萩原朔太郎 「供養」
...兄は合掌する...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...私はしぜんと合掌するやうな氣分にならずには居られない...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...みよ ひとつの魂はその上にすすりなきひとつの魂はその上に合掌するまでにいたるああかくのごとき大いなる愛憐の寢臺はどこにあるかそれによつて惱めるものは慰められ 求めるものはあたへられみなその心は子供のやうにすやすやと眠るああ このひとつの寢臺 あこがれもとめ夢にみるひとつの寢臺ああこの幻(まぼろし)の寢臺はどこにあるか...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...太郎吉は石を拾いて積み合掌す...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...つみかさなる苦悩にむかひ合掌する...
原民喜 「魔のひととき」
...また掴んだまま合掌するか...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...追々恐怖が畏敬に移り変って合掌する事となったので...
南方熊楠 「十二支考」
......
室生犀星 「抒情小曲集」
...後者に向って感心のあまり合掌するに違いない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...私はただ合掌するばかりに眺めただけだ...
横光利一 「鵜飼」
...そこの古いお厨子(ずし)は青漆塗(せいしつぬ)りで玉虫貝(たまむしがい)の研(と)ぎ出しであったかと思う、その厨子の前へ、朝に夕に眉目(みめ)のいやしくない老婆が、合掌する、不思議はない、御先祖を拝むのだ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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