...この講堂の塔の電氣時計を振り仰ぐ...
太宰治 「逆行」
...訝(あや)しみながら振り仰ぐと...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...……そこで眼を水面から転じて空を振り仰ぐと...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...フト天井を振り仰ぐと...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...――お菊を殺したのはお前だろう」猛然と振り仰ぐお楽...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「物申し上ぐる型」に長(なんが)い顔を振り仰ぐのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そんな事はありません――どっちかというとよく眠る方です」お美乃の敢然と振り仰ぐ顔...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...やはりあの女だ」平次が何やら思ひ當つた樣子で振り仰ぐと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...二階と一階の間にははしごがなく振り仰ぐと二階へ登り口のあなから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...怨めしそうに平次を振り仰ぐのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...血だらけの顔を振り仰ぐのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...貧弱な顏を昂然と振り仰ぐのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...振り仰ぐと、鉄格子で堅めた大窓の上の、空気抜の小窓が半分開いて、この硝子(ガラス)へチョークで、判官三郎と麗々しく四文字、ここから入りましたと言わぬばかりに認(したた)めてあります...
野村胡堂 「判官三郎の正体」
...――振り仰ぐと、百合子は恰度仁王像の肩から灯りと一処に覗き出てゐた...
牧野信一 「南風譜」
...あれを見ろ」「えっ、な、なんだ?」急に、勘蔵にそういわれて、勘蔵の見ている方を、何気なく、振り仰ぐと、いま出て来た楽翁の隣の二階に、頬づえついて、窓から往来を見ている男がある...
吉川英治 「大岡越前」
...その声に振り仰ぐと...
吉川英治 「三国志」
...振り仰ぐと、その樹の上にも、一人の山伏が、蝉(せみ)のように止まって物見をしていた...
吉川英治 「親鸞」
...人々が振り仰ぐと...
吉川英治 「宮本武蔵」
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