...何でも好きなものの振り出せる打出(うちで)の小槌(こづち)という宝物さえある...
芥川龍之介 「桃太郎」
...禹徳淳 (血相を変えて追い停めようとする)安重根! 君――なにを馬鹿な!安重根 何をするんだ! (振り払う)禹徳淳 (激昂して)貴様...
林不忘 「安重根」
...………そして彼等は一度に臀を振り出しました...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...自分にも分らない妙に興奮した考えを振り落そうとするように肩を引きしめてみたりした...
豊島与志雄 「恩人」
...わたしの眼の黒いうちは……」お角はまた口惜しがって武者振りつきました...
中里介山 「大菩薩峠」
...見当ぐらいはつくだろう」「…………」吉五郎は黙って首を振りながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...三「お前はそれを聽かなかつたのか」平次は脅(おび)え切つてゐる金之助を振り返りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...よく通りがかりの人が振り返って見たものでしたが...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...私は、橋の袂にゐて、現場の導火線から煙が上るのを見て、ベルを振り、ハッパだ、ハッパだあ、と怒鳴りながら、上流の方へ駆け、人が来ないのを見届け、又、下流の方へ駆けた...
葉山嘉樹 「万福追想」
...口をおかずに愛想を振り撒いている...
久生十蘭 「魔都」
...数千門の大砲を振り立てながら...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...そのようなただならぬ光がどこから来るのかを見ようと思って私は振りかえってみた...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...暫く振りで倉の外で晩飯を摂らうではないかと御面師が促すのであつた...
牧野信一 「鬼涙村」
...徳川時代に支那から渡来した花木で葉も花も木振りもよくツバキに類似している...
牧野富太郎 「植物記」
...彼は女に振り返りながら云った...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...「なにか自分の喰べるものもそういうんだぜ」おのぶは土間へおりてから振り返り...
山本周五郎 「さぶ」
...鬣(たてがみ)を振り上げた馬は躍り上り...
横光利一 「夜の靴」
...身の振り方は、ほかへ行って考えてくれないか」林冲(りんちゅう)は、憤然として、断わった...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索