...指さきの皮剥けんかと思うばかりなり...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...指さきにつまんで読んでみると...
海野十三 「海底大陸」
...日本のまわりを指さきでぐるぐるなでながら...
海野十三 「怪塔王」
...僕の指さきに籠(こ)めた僅かばかりの力で...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...掻き払ふやうにして婦人の指さきから銀貨をもぎとりました...
薄田泣菫 「黒猫」
...大抵は眼で見るよりも先に指さきがその小刀の柄に触れてそれを探りあてる...
高村光太郎 「小刀の味」
...指さきでそっと頸を撫でながら...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...あひびきあいりすのにほひぶくろの身にしみて忘れかねたる夜のあひびきしなだれてはにかみぐさも物は言へこのもかのものあひびきのそら夏くれば君が矢車みづいろの浴衣の肩ににほふ新月(にひづき)なにを蒔く姫ひぐるまの種を蒔く君を思へと涙してまくいかばかり芥子の花びら指さきに泌みて光るがさびしかるらむ(一九一三...
萩原朔太郎 「短歌」
...焼いたするめを皿に小さく裂きながら、自分の指さきに、きらきら光るやうな安易な幸福を感じてゐた...
林芙美子 「浮雲」
...」博士は指さきに力を入れて...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
......
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...そつと指さきで何か無駄書きをしてゐる女等もゐた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...私はその指さきに光る縁日ものらしいのを見たりした...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...彼の指さきにふれない土はなかった...
室生犀星 「生涯の垣根」
...指さきでつまんで...
室生犀星 「不思議な魚」
...おうように手袋に包んだ右の手の指さきをさしのべた...
森鴎外 「普請中」
...仏像の唇に滲んだ艶も指さきにつくように覚えお茶を飲んだ...
横光利一 「旅愁」
...成程茶をたてる姿態――殊に指さきのはたらきは...
吉川英治 「折々の記」
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