...その端が指輪の二つはまった大理石のような葉子の手にもてあそばれていた...
有島武郎 「或る女」
...此兒(これ)(と顎で指して...
石川啄木 「足跡」
...あの電燈のスイッチの指紋なんです...
江戸川乱歩 「D坂の殺人事件」
...木箱の中で突つかける指先きに豆ができたばかりでなく...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...場合の数が小なる時は自然の表現は理論の指示する所と大なる懸隔を示す事あり...
寺田寅彦 「自然現象の予報」
...それから貴夫人達はどれかの僧侶に指さしをして囁き交す...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...あの小山を見給え」と指しますから...
中里介山 「大菩薩峠」
...幼児の瞳(ひとみ)をのぞいたような感じというのは」とそのうちの一つを指して教えてくれた...
中谷宇吉郎 「南画を描く話」
...自分はその中にある真珠の指環を手に取って...
夏目漱石 「行人」
...あすこだけ穴が開(あ)いてるようでおかしいからね」お延は何の気なしに叔父の指(さ)している見当(けんとう)を見た...
夏目漱石 「明暗」
...とて指さすを見れば軒端のもちの木に大いなる蛛(くも)の巣のかゝりて...
樋口一葉 「うつせみ」
...圧して見ても指の痕もつかぬ...
久生十蘭 「魔都」
...」妻が急に僕をさへぎつて山のはうを指した...
堀辰雄 「辛夷の花」
...一寸敵意を含んだ眼つきでFの指先を眺めた...
牧野信一 「或る日の運動」
...※類すなわち山物の条下に果して化石の語があって疑もなく Fossil を指しているのでハッ占めたと思った...
牧野富太郎 「植物記」
...兩者はここでも互に他を指し示し合ふことによつて...
三木清 「認識論」
...私がオモヨさんの寝床を指さしまして...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...女の指を蒐(あつ)める奇怪な国家老のあることを見届け...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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