...「こんな狐につままれた様な事件は初めてだ」と腕を拱(こまね)くばかりだ...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...その向うには眞面目な顏をして手を拱いて坐つてゐる父の姿が見え...
田山花袋 「道綱の母」
...しかし彼は腕を拱(こまね)いて争いもせず溺(おぼ)れてゆく人間ではなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかも静かに手を拱(こまぬ)いてるということが七月革命の錯誤であった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...腕を拱(こまね)いていた柳田平治が...
中里介山 「大菩薩峠」
...宗近君は腕を拱(こまぬ)いたまま...
夏目漱石 「虞美人草」
...銭形平次は腕を拱(こまぬ)いて考えているところでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...平次もさすがに腕を拱(こまぬ)くばかりです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...もう少し様子を見るとしよう」平次は考え深そうに腕を拱(こまぬ)きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...彼はいつでもおとなしく席につくと、手を拱んで、じつと教師に目をそそぎ、決して、自分の前の席に坐つてゐる級友の背中へ紙片(かみきれ)をぶら下げるとか、腰掛に彫刻をするとか、それから、先生が来るまで目白押しをやるといふやうなことがなかつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...武功は手を拱(こまね)いて待つようなものにあらず...
藤野古白 藤井英男訳 「戦争」
...手の施しようもなく私も腕を拱ねくばかりでしたが...
牧野信一 「月あかり」
...腕拱(うでぐ)みをくんで...
吉川英治 「私本太平記」
...もう二度と見る勇気も別れの惜しみもないようにその手を憮然(ぶぜん)と胸に拱(く)んでしまった...
吉川英治 「私本太平記」
...大きな息と共にその胸へ腕を拱(く)んでしまった...
吉川英治 「新書太閤記」
...それを問わずにしまったが」腕拱(うでこまね)いていると...
吉川英治 「新・水滸伝」
...黙然(もくねん)と腕拱(うでぐ)みしながら...
吉川英治 「松のや露八」
...最近底部の全拱道からそれらを取りのけた形跡があったのだ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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