...而して此等の個性型が或程度迄無限なる個性の變化を概括する用をなすに足ることも亦爭はれない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...こんな麻縄なんて括りつけてなかったからね」私達のあとを追って...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...骨盤の上を括(くく)っている扱帯(しごき)の加減で...
谷崎潤一郎 「秘密」
...純粋数学の対象のうちに包括せられる一切のものは...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...〕548 548―552 括孤内の數行は如何なる寫本にも無し...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...湖水の括(くく)れて川となるあたりに三上山(みかみやま)の蜈蚣(むかで)が這(は)い渡る様な瀬田の橋を眺め...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...自由主義が標榜する処の包括的な抱擁性が実現され得るからだ...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...概念を概括的観念の略称ででもあるように思っている常識は今は問題にならぬ...
戸坂潤 「思想としての文学」
...當時までのあらゆる本を總括して考へてゐるが...
内藤湖南 「支那目録學」
...然し單衣の裾はぐるつとかゝげて帶を掩うて紐で括つてあつたから白いゆもじが目に立つのみで其帶の結び目はそれはかゝげた裾に隱されて見えなかつた...
長塚節 「旅の日記」
...一旦(いったん)堅く括(くく)られた私の行李(こうり)は...
夏目漱石 「こころ」
...どうかしてこの込み入った画の配合や人間の立ち廻りを鷲抓(わしづか)みに引っくるめてその特色を最も簡明な形式で頭へ入れたいについてはすでに幼稚な頭の中に幾分でも髣髴(ほうふつ)できる倫理上の二大性質――善か悪かを取(と)りきめてこの錯雑(さくざつ)した光景を締(し)め括(くく)りたい希望からこういう質問をかけるものと思われます...
夏目漱石 「中味と形式」
...横着な事には大きな括枕(くくりまくら)さえ備えつけてある...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...詰る所(とこ)私(あたし)はお金で如何(どう)にでもなると見括(みくび)ったんでしょう...
二葉亭四迷 「平凡」
...緑色のドレスを着けた娘が手足を縛(ばく)されて椅子に括(くく)りつけられたまゝ...
松本泰 「緑衣の女」
...『現存秩序を擁護する者は一切の政治的思弁を概括的に否としている...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...經驗は一の全體として自己包括的であり...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...荷馬にも行李(こうり)や金銀や何くれとなく括(くく)られる...
吉川英治 「新・水滸伝」
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