...それも一つの折檻か...
泉鏡花 「薄紅梅」
...身の自由を奪っていろいろと折檻(せっかん)したが...
海野十三 「柿色の紙風船」
...これ以上の折檻は...
太宰治 「ロマネスク」
...あるいは云う男の師匠が弟子を折檻する例は多々あるけれども女だてらに男の弟子を打ったり殴(なぐ)ったりしたという春琴のごときは他に類が少いこれをもって思うに幾分嗜虐性(しぎゃくせい)の傾向があったのではないか稽古に事寄せて一種変態な性慾(せいよく)的快味を享楽(きょうらく)していたのではないかと...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...この世にいる内に自分の夫の手で折檻して貰う方がまだましだ...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「女房ども」
...頑固親爺(がんこおやじ)が不幸むすこを折檻(せっかん)するときでも...
寺田寅彦 「自由画稿」
...彼はひどい折檻を受けることと期待していた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いささか折檻(せっかん)してやったのだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...いろいろの証拠がある」「…………」「主人は眼の傷の手当をしながら苦痛を忍んでお町の折檻だ――ところでそのお町という女中が神田の銭形平次親分を呼んで下さい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...犬畜生にも劣った折檻(せっかん)をされ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いやがる私を父子二人で責め折檻(せつかん)して――この二...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あれほど酷い折檻を受けた少女であるとは思へない...
牧野信一 「浪曼的月評」
...折檻されてゐたのだ...
正宗白鳥 「幼少の思ひ出」
...このごろは唯呵責(かしゃく)と折檻(せっかん)よりしか児太郎から受けない彼は...
室生犀星 「お小姓児太郎」
...――叱られたり折檻されたことがおありですか...
山本周五郎 「いさましい話」
...「――私は三男の暴れん坊で手のつけられない悪童だと云われました、父や兄はもちろん母でさえ私にはやさしくして呉れませんでした、私はいつも叱られたり罰をくったり、折檻(せっかん)されてばかりいました、……そのなかで唯一人、その人だけは私を庇(かば)い、私の味方になり、私を慰さめ、愛して呉れました、私が罰をくうとき、折檻されるとき、その人だけは詫びて呉れたり、一緒に泣いて呉れたりしました、……この世で私のたった一人の人、忘れることのできない、懐かしい、たった一人の人、お許し下さい、貴女がその人に瓜二つといってもいいほど似ていらっしゃるんです」半之助は懐紙を出してそっと顔を掩(おお)った...
山本周五郎 「半之助祝言」
...沢庵から折檻(せっかん)されるかもしれない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...子供のしつけの上で折檻は必要だと考えている人さえある...
和辻哲郎 「漱石の人物」
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