...わたしたちの仕事もまだにらまれずにいたんでしたから……時に奥さん」そういって折り入って相談でもするように正井は煙草盆を押しのけて膝(ひざ)を乗り出すのだった...
有島武郎 「或る女」
...折り入って頼むことだから...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...これは私の折り入っての御願いであります……」という意味を私は岡倉先生へ申し述べました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...どなたにも内密にしておいていただけませんでしょうか? 折り入ってお願いしておきたいのですが……...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...折り入ってお願いがあるんですが」といきなりアリョーシャが話をさえぎった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...折り入って話したいことがあって...
火野葦平 「花と龍」
...「玉井さん、折り入って、御相談があって来たとですけんどなあ」「いうて下さい」「実はな」と、新之助が、声を落して、「金さん、お前、ドスを、仰山、集めちょったろうが? それを、勇(ゆう)さんが貸して貰いたいというとるんじゃ...
火野葦平 「花と龍」
...折り入って御意(ぎょい)得たいと申し...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「ふうん、成る程、ますます気鋒の鋭い奴だな!」そして、わざとらしく取ってつけたような快活さで、「如何にも、旗本の隠居と泥棒でも、一度懇意になった上は、何かの場合、折り入って、相談ごとをする時が無いとも限らぬ、だがまあ、当分は、別に頼むことも無いようだ」「そりゃあ、泥棒は、あっしの渡世、御隠居さんは、書画骨董、珠玉刀剣が、死ぬ程お好きだということ、何処そこの蔵から、手に入れられねえ宝物を、盗って来い位なら、御相談にも乗りましょうが、弱い者虐(いじ)めや、清い人を、難儀させるようなことだけは、命を取られても、出来ねえ闇太郎、――それだけは、御承知下せえまし」と、天地に身の置き所も無い若い盗賊、権勢家三斎を前に置いて、虹(にじ)の如き気を吐くのだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...折り入っての頼みがありますので...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...折り入っての儀で」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...折り入って、おはなしとは」こう促(うなが)されて、三名はややかたくなった顔を見合わせていたが、その中でも最も剛直(ごうちょく)な感情家らしい藤田伝五が、「左馬介様...
吉川英治 「新書太閤記」
...まこと横川の和尚から再三の申入れは、あなた様が当城に御逗留中と知って、ぜひ光秀様に、いちどお目通りさせて欲しいと、この光春を介して、切なる願いを申し入れて来たわけでござりました」「亮信阿闍梨(りょうしんあじゃり)が、折り入って、この日向守に会いたいといっておるのか」「それと、もう一通の嘆願書には、山門復興の勧進に、惟任(これとう)日向守様の尊名をも、御拝借ねがいたいということでございました...
吉川英治 「新書太閤記」
...是非折り入って内密にお目にかかりたいと存じますが」こういって...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...あの三次か」「折り入って...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...お奉行はまだ――」「まだお住居(すまい)のほうだろうよ」「折り入って眼八が申し上げたいことがあって起き抜けにまいりましたと...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...早朝から折り入って話したいこととは何だな」と声をかけた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「折り入って、そちに、相談があってやって来た...
吉川英治 「松のや露八」
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