...彼の会社は経営不振で株価が大暴落し、ついには払底してしまった...
...あまりにも浪費家だったため、ついには財産を払底させてしまった...
...水泳大会でトップだった彼が、最後の50mで大きくペースを落とし、結局払底した...
...爆弾テロの被害者救済のため、政府が大規模な資金援助を行って国庫を払底させた...
...ギャンブルにはまり、ついには全財産を払底してしまった友人に心を痛める...
...実家から女中払底の手助けに来てゐるAさんといふ若い看護婦さんに頼んで...
犬養健 「姉弟と新聞配達」
...労働者はたださえ払底している際で...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...昨今は独逸製の良い薬が払底しているとかで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...いつ原稿用紙が払底しても...
谷崎潤一郎 「文房具漫談」
...欧洲戦争の当時舶来の食料品の甚払底であった頃にも...
永井荷風 「砂糖」
...生憎(あいにく)材料払底の為(た)め其意を果さず...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...つまりは人が払底(ふってい)なためだったのでしょう...
夏目漱石 「私の個人主義」
...米穀(べいこく)払底(ふってい)の折柄...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「訊きたいこととは?更(あらた)まって――そなたと、わしの間で――」広海屋は、持ち合せた盃を献(さ)そうとしたが、長崎屋は、それを、押しのけるようにして、「いや、まず、お預けにいたそう――実はそこどころではなく、わしの店でも騒いでいるので――」と、いって、屹(き)ッと、相手をみつめて、「こんな場所で、どうかと思うが、いそぐゆえ、伺いますが、こなたの上方(かみがた)の持米が船積みされ、今ごろは、もう、伊豆(いず)の岬にも、さしかかっているであろう――とのこと、実証でありますかな?」「おお、おお、そのはなしでしたか!」と、広海屋はさも、つまらないことのように、軽くうけて、「いかにも、さるお方のおすすめで、江戸はかように、米穀払底、今にも、米屋こわしでも、はじまるばかりになっている折柄、そういっては何だが、裕福な、物穀(ぶっこく)商人、さては、扶持(ふち)取り禄(ろく)高とりのお武家衆のみが、遊蕩(ゆうとう)の、遊楽のと、のんきでいるのは、天地に済まないこと――広海屋は、幸い、豊作の上方、西国に、たんまり米を持っているとのことゆえ、この場合、思い切って、持米を東にまわし、損を覚悟で売ったら、江戸の人々への恩返しになろう――第一、その方は、西の果てに生れ、江戸で商人の仲間にはいっていること、こんなときこそ、――一肌ぬがねばすむまいが、――そんな風に申されたので、のッぴきならず、大損を見こしての回漕――いや、もう、長崎屋さん、お互のことだが、他国者(よそもの)はつろうござんすな」ひどく、気軽に、しかも、不平たらだらのように、広海屋はいって、吸いつけた莨(たばこ)を、輪に吹いた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ガソリン払底は、なるほど、郊外の奥にお住居だし、お仕事の関係上、直接でしょう...
宮本百合子 「裏毛皮は無し」
...貸家払底の頂上であったことが分る...
宮本百合子 「思い出すこと」
...そこの職工さんたちの住居払底で...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この頃貸家払底で家賃も上って来ているので...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...住宅払底なのをかんわするために...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それも珍本払底でたいていは月並の凡書ぞろい...
山本笑月 「明治世相百話」
...演劇書類など品払底のためたいていは珍本扱い...
山本笑月 「明治世相百話」
...外品の払底が続き出した...
横光利一 「上海」
...艀(はしけ)や伝馬船(てんません)が払底(ふってい)を告げて...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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