...彼の会社は経営不振で株価が大暴落し、ついには払底してしまった...
...あまりにも浪費家だったため、ついには財産を払底させてしまった...
...水泳大会でトップだった彼が、最後の50mで大きくペースを落とし、結局払底した...
...爆弾テロの被害者救済のため、政府が大規模な資金援助を行って国庫を払底させた...
...ギャンブルにはまり、ついには全財産を払底してしまった友人に心を痛める...
...)その『氷河と万年雪の山』の中の「槍ヶ岳の昔話」と題する一篇の中に、「近ごろの古本漁りは、江戸時代は珍本どころか、大抵の安本までが、払底のため、明治時代に下って、初期の『文明開化』物から、硯友社(けんゆうしゃ)あたりの、初版本にまで及ばしているようだ...
宇野浩二 「それからそれ」
...借間の払底(ふってい)をはじめ...
海野十三 「独本土上陸作戦」
...ちょうど女中払底とその理由は同じである...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...いつ原稿用紙が払底しても...
谷崎潤一郎 「文房具漫談」
...万一払底した場合...
谷崎潤一郎 「文房具漫談」
...謂わば一種の公開図書室で、図書払底の折柄、研究員として出入の許可を求めてくる者が多かった...
豊島与志雄 「波多野邸」
...古本屋は品物払底にてたま/\少しめづらしきものを得れば驚くばかりの値段をつける...
永井荷風 「古本評判記」
...「糸会所取立所三井八郎右衛門其他組合の者共此者共、めいめい世界中名高き巨万の分限にありながら、足ることを知らず、強慾非道限り無き者共、身分の程を顧みず報国は成らずとも、皇国(みくに)の疲労に相成らざるやう心掛くべき所、開港以来諸品高価のうちには、糸類は未曾有の沸騰に乗じ、諸国糸商人共へ相場状(そうばじよう)にて相進め、頻りに横浜表へ積出させ候につき、糸類悉く払底、高直(こうぢき)に成り行き万民の難渋少からず、畢竟此者共荷高に応じ、広大の口銭を貪り取り候慾情より事起り、皇国の疲労を引出し、一己(いつこ)の利に迷ひ、他の難渋を顧みず、不直(ふちよく)の所業は権家へ立入り賄賂(わいろ)を以て奸吏を暗まし、公辺を取拵(とりこしら)へ、口銭と名付け大利を貪り、奸吏へ金銭を差送り、糸荷を我が得手勝手に取扱ひ、神奈川関門番人並に積問屋共へ申合せ、所謂(いはゆる)世話料受取り、荷物運送まで荷主に拘はらず自儘取扱ひ、不正の口銭貪り取候事、右糸会所取立三井八郎右衛門始め組合の者、他の難儀を顧みず、非道にて所持の金銭並に開港以来貪り取る口銭広大の金高につき、今般残らず下賤困窮人共に合力(ごうりき)の為配当つかはし申すべし、若し慾情に迷ひ其儘捨て置かば、組合の者共一々烈風の折柄(をりから)天火を以て降らし、風上より焼立て申すべく、其節に至り隣町の者共、火災差起り難渋に之れ有るべく候間、前記会所組合の者共名前取調べ置き、類焼の者は普請金並に諸入用共、存分に右の者より請取り申すべく、且つ火災差起り候はば、困窮の者共早速駈付け、彼等貯へ置き候非道の財宝勝手次第持ち去り申すべく、右の趣、前以て示し置き候間、一同疑念致すまじき事」これだけのことを、自身番の親爺のうちでも読むことの達者な眼鏡屋(めがねや)の隠居が、スラスラと節をつけて読み立てました...
中里介山 「大菩薩峠」
...材木の払底を告げたところから...
中里介山 「大菩薩峠」
...色男の払底を告げるというわけでもなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...近頃はトチメンボーの材料が払底で亀屋へ行っても横浜の十五番へ行っても買われませんから当分の間は御生憎様でと気の毒そうに云うと...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「訊きたいこととは?更(あらた)まって――そなたと、わしの間で――」広海屋は、持ち合せた盃を献(さ)そうとしたが、長崎屋は、それを、押しのけるようにして、「いや、まず、お預けにいたそう――実はそこどころではなく、わしの店でも騒いでいるので――」と、いって、屹(き)ッと、相手をみつめて、「こんな場所で、どうかと思うが、いそぐゆえ、伺いますが、こなたの上方(かみがた)の持米が船積みされ、今ごろは、もう、伊豆(いず)の岬にも、さしかかっているであろう――とのこと、実証でありますかな?」「おお、おお、そのはなしでしたか!」と、広海屋はさも、つまらないことのように、軽くうけて、「いかにも、さるお方のおすすめで、江戸はかように、米穀払底、今にも、米屋こわしでも、はじまるばかりになっている折柄、そういっては何だが、裕福な、物穀(ぶっこく)商人、さては、扶持(ふち)取り禄(ろく)高とりのお武家衆のみが、遊蕩(ゆうとう)の、遊楽のと、のんきでいるのは、天地に済まないこと――広海屋は、幸い、豊作の上方、西国に、たんまり米を持っているとのことゆえ、この場合、思い切って、持米を東にまわし、損を覚悟で売ったら、江戸の人々への恩返しになろう――第一、その方は、西の果てに生れ、江戸で商人の仲間にはいっていること、こんなときこそ、――一肌ぬがねばすむまいが、――そんな風に申されたので、のッぴきならず、大損を見こしての回漕――いや、もう、長崎屋さん、お互のことだが、他国者(よそもの)はつろうござんすな」ひどく、気軽に、しかも、不平たらだらのように、広海屋はいって、吸いつけた莨(たばこ)を、輪に吹いた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...紙の払底や印刷工程の困難をかきわけつつ...
宮本百合子 「歌声よ、おこれ」
...下松は借家払底で...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この頃貸家払底で家賃も上って来ているので...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...住宅払底なのをかんわするために...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そちらへ差入れの花も払底な時だから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...どんな人材でも払底を告げている際だ...
吉川英治 「松のや露八」
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