...その頃長寿斎(ちょうじゅさい)という打物(うちもの)の名人があった...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...白金造(しろがねづくり)の打物(うちもの)は何程の用にか立つべき...
高山樗牛 「瀧口入道」
...まだ寶玉の屑のやうに貴かつた白砂糖で作つた打物(うちもの)で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一緒に菓子をたべた本妻と養ひ娘は、ケロリとして居るんだから、これは毒害と思はなきやなりません」「成る程ね、その菓子は一人つづ別の物に入れてたべたことだらうな」「一と口ぢや頬張りきれさうもない、菊形の打物で、一人に一つづつ腰高の菓子臺に載せて配つたさうですよ」「そんな世話は誰が燒いたんだ」「不思議なことに、死んだお小夜だから變ぢやありませんか」「毒は?」「色も匂ひも味もないところを見ると、砒石(ひせき)だらうと言ふことで、喰べ殘しの小さい片(かけ)らを、本道の石齋が持つて行きましたが」「鼠捕りだな」「兎も角も、ちよいと御輿(みこし)をあげて下さいよ、親分」「それくらゐのことなら、お前でも裁(さば)けるだらう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...打物業(うちものわざ)にさえならなければ...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...勘定し切れないほどの値打物だ――」主人の熊谷三郎兵衛は...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...ところで俺たち二人の着物はいったいいくらくらいの値打物だろうナと訊く...
正岡容 「圓太郎馬車」
...打物(うちもの)などを懸けつらねたる間(ま)...
森鴎外 「文づかひ」
...思い思いの打物(うちもの)をかかえていた...
吉川英治 「黒田如水」
...今日は格別のお慈悲で打物を持たせてやるから...
吉川英治 「剣難女難」
...行く行く篝屋武士も、打物取って、討手方の一翼に入る...
吉川英治 「私本太平記」
...長柄(ながえ)を以て手馴れの打物とし...
吉川英治 「私本太平記」
...打物を把(と)ってお守りするぐらいな覚悟でなければなりませぬ」ぜひなく...
吉川英治 「私本太平記」
...おれはここらの具足師をしめくくッている打物屋の鳶七(とびしち)ってんだ...
吉川英治 「私本太平記」
...住吉の打物屋鳶七(とびしち)が...
吉川英治 「私本太平記」
...手槍打物ばかりとして...
吉川英治 「新書太閤記」
...打物とった武家の果てじゃ」「はははは...
吉川英治 「親鸞」
...紅と白の打物(うちもの)の干菓子が供えてあるのを仰いで...
吉川英治 「源頼朝」
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