...手附けの金を懐(ふところ)にし(この金は封を切ったまま手箪笥(てだんす)の抽斗(ひきだし)に入れて手を附けずに置きました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...叔母は手箪笥(てだんす)や手文庫の底から見つけた古い証文や新しい書附けのようなものを父親の前に並べて...
徳田秋声 「足迹」
...今紙入れを出してやった手箪笥の鍵(かぎ)を弄(いじ)りながら...
徳田秋声 「足迹」
...新吉がどこからか格安に買って来た手箪笥や鼠入(ねずみい)らずがツヤツヤ光って...
徳田秋声 「新世帯」
...それは子供のおり田舎の家の暗い押入れにある母親の黴(かび)くさい手箪笥や文庫のなかを捜すとちょうど同じような心持であった...
徳田秋声 「黴」
...押入れの手箪笥のなかから...
徳田秋声 「爛」
...(今時分まで、何うして、この老女だけが起きているのか? 祈祷の係ともちがうのに)梅野は、上座へ坐って、静かに「何しに、今時、庭へおじゃった?」深雪が、顔を上げると、拝領物を飾る棚、重豪公の手らしい、横文字を書いた色紙、金紋の手箪笥、琴などが、綺麗に陳(なら)んでいた...
直木三十五 「南国太平記」
...少しも騒がず手箪笥(てだんす)の中から一包(つつみ)の金(百円包のよし)を取出し与えますと...
服部之総 「蓮月焼」
...手箪笥の抽匣(ひきだし)を二段斜めに重ねて...
広津柳浪 「今戸心中」
...吉里は手箪笥の抽匣(ひきだし)を行燈の前へ持ち出し...
広津柳浪 「今戸心中」
...手箪笥(てだんす)をゴトゴトやっていたが...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??