...手ぶらで柳橋の館――いや館は上方――何とか家(や)へ推参する...
泉鏡花 「遺稿」
...それが今囘殆ど手ぶらで歸つて來たのであるから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...そのまま手ぶらでお出ましになったのです」では波越警部達が支配人室に入っている間の...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...お前は手ぶらのやうだから持つとつてくれ」紳士は不承無精に古外套を腋(わき)の下に抱へたまま...
薄田泣菫 「中宮寺の春」
...私はまた手ぶらでその秋実のりの乏しかつた柿の木の下に立つた...
薄田泣菫 「独楽園」
...種も仕掛けもない手ぶらの老人が...
田中貢太郎 「港の妖婦」
...平中としては手ぶらですご/\引込む気になれず...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...爺さんは果して岡持も持たず手ぶらでやつて来た...
永井荷風 「勲章」
...手ぶらで帰るなんぞは子供の使のようで面目もございませんが...
中里介山 「大菩薩峠」
...帰りも手ぶらで、宿題などは決してない...
中谷宇吉郎 「六三制を活かす道」
...宗助は無論手ぶらであった...
夏目漱石 「門」
...手ぶらで来ました時と違つて...
林芙美子 「シベリヤの三等列車」
...手ぶらの金五郎を...
火野葦平 「花と龍」
...鉄砲も刀も持たず軽い背広の手ぶらである...
火野葦平 「花と龍」
...もしメアリが手ぶらだったらメイフィールドは結婚すると思いますか」ジョージ卿が首を横に振った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...毎日手ぶらで帰って来た...
山之口貘 「野宿」
...翌晩一人の駕屋が手ぶらで網屋へ入り...
吉川英治 「剣難女難」
...一匹は手ぶらで後からくッついてくる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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