...竹本流の扇面舞いを見ると和の美を感じます...
...その画中の人物は緑いろの光琳波(くわうりんは)を描いた扇面を胸に開いてゐた...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...色紙、短冊、扇面、紙本、立どころに、雨となり、雲となり……いや少し慎もう……竹となり、蘭となる...
泉鏡花 「薄紅梅」
...その扇面を顔のあたりに翳(かざ)して歩いていた...
海野十三 「雷」
...滅多に他人(ひと)の言ふ事を肯(き)かなかつたあの旋毛(つむじ)曲りの漱石氏も滝田氏に懸つては手も脚も出なかつたらしく、書、画、扇面、額、軸物……と相手の言ふが儘に手当り任せに書かせられてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...その他国宝とも称すべき頭山翁が書いて下された幅、かつて支那の大総統をした曹の一筆の虎、支那僧密林師、犬養翁、また私の恩師渡辺海旭上人の偈文、現満州国皇帝の溥儀執政時代の御手蹟、小川芋銭氏の狐の嫁入り、良寛の扇面掛軸、明治大正昭和を通じてそれぞれ有名無名の人の優秀な油絵、チベットの喇嘛(ラマ)僧リンチェンラマより頂いた西蔵の貴重な経文等々、こう書きならべて見るとあなたがたにはことごとく見覚えのある懐しいものばかり、それが折々かけかえられることもみなよく知っているでしょう...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...扇面や屏風(びょうぶ)など数点を蔵していること...
谷崎潤一郎 「細雪」
...その扇面に得意の隷書体で...
豊島与志雄 「失策記」
...扇面(せんめん)...
永井荷風 「江戸芸術論」
...暁斎玉章扇面等を発見したり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...三馬の扇面を私はいま愛蔵している...
野村胡堂 「江戸の昔を偲ぶ」
...下手人はお前だ」平次は扇面型(せんめんがた)になつた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...現に太田庄へくれてやる扇面の画をば...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...扇面は、時として実隆の方から旅行の餞別に出したこともあるが、多くは宗祇の所望によったものである...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...塗物に銀で扇面をちらしたシガレットケース一組ずつおくりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「石崎士整与諸子同千秋亭賞月、題詩扇面、携来見示、即次韻...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...扇面とか短冊などを...
山本周五郎 「おれの女房」
...あなた様を」半七郎は扇面を顔にかざして笑った...
吉川英治 「新書太閤記」
...宗達筆(そうたつひつ)の扇面画(せんめんが)に見られるような美術でもあります...
吉川英治 「随筆 新平家」
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