...彼が旗下の桃李寥々たりしにも関らず、四郎兼平の如き、次郎兼光の如き、はた大弥太行親の如き、一死を以て彼に報じたる、是を源頼朝が源九郎を赤族し、蒲冠者を誅戮し、蔵人行家を追殺し、彼等をして高鳥尽きて良弓納めらるゝの思をなさしめたるに比すれば、其差何ぞ独り天淵のみならむや...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...さうして我等が意識して民族的特性を殺戮せざる限り...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...俺のドン・ホアンの衝動は行爲に發露せぬ前に殺戮されるのみで...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...国家の政務は君臣協心戮力するにあり...
伊波普猷 「ユタの歴史的研究」
...大殺戮(だいさつりく)と大乱費(だいらんぴ)とのおこなわれる前に...
海野十三 「海底大陸」
...たった一人のために数十人を殺戮(さつりく)するという...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...「スチムファロス」の毒鳥の殺戮攘除は...
高木敏雄 「比較神話学」
...あゝ戮力を待つて成立し得べき道徳は卑しむべき哉...
高山樗牛 「美的生活を論ず」
...そしてすぺいんに闘牛という「聖なる殺戮(さつりく)」があとを絶たないあいだ...
谷譲次 「踊る地平線」
...当時殺戮(さつりく)を好む秀次のために...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...その殺戮(さつりく)の陰惨な光景をありのまま語っているのである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...李陵のように一族を戮(りく)せられることこそなかったが...
中島敦 「李陵」
...刑者にとつて殺戮(さつりく)は欲する所ではない...
長與善郎 「青銅の基督」
...憎いな」平次はこの意味のない殺戮者(さつりくしや)を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...君は過去にいちどでも想像したことがあったかね」「なかったわ」「ぼくがルゥヴルでゴヤの〈銃殺〉やドラクロアの〈キオス島の殺戮(さつりく)〉を見たのは十六のときだったが...
久生十蘭 「だいこん」
...殺戮(さつりく)に対する自分の側の不備をちゃんと知っていた...
久生十蘭 「地底獣国」
...この地方の織田被官はたいてい殺戮(さつりく)や焼亡の難に遭ったのであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...われらはただ殺戮(さつりく)を好むものではありません...
吉川英治 「新・水滸伝」
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