...背中の肉の戦くほど...
田中英光 「箱根の山」
...戦くやうな恐怖を感じた...
田山録弥 「心の絵」
...無生のものが生の息吹に触れて恐れ戦くに似ている...
豊島与志雄 「真夜中から黎明まで」
...一刀のもとに斬って捨てた手練のほどに戦(おのの)いたのは――戦くだけの素養のあったのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...私は感謝に戦く手で...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...因果なことに俺はそれを思い止まる力も無い」「…………」お園は戦く胸を抱いて...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...三田の学校の石段を昇つて行くとき彼の足はふらふらと力なく戦く...
原民喜 「氷花」
...あのとき僕は窓ガラスの向側の美しく戦く若葉のなかに...
原民喜 「鎮魂歌」
...――今も彼女は近所の子供で家屋の下敷になつてゐた姿をさまざまと思ひ浮かべて戦くのであつた...
原民喜 「廃墟から」
...風に戦く一輪の野の花のような...
久生十蘭 「魔都」
...少し大振りを試みると私は五体が硝子の壜に化したやうな寒さに戦くのであつた...
牧野信一 「海棠の家」
...怪しく胸が戦く不気味な危惧を覚ゆるので...
牧野信一 「海棠の家」
...激しい電気を感じたやうに私は戦く始末であつた...
牧野信一 「タンタレスの春」
...出遇ふものゝ眼である限りは蜂や蜻蛉のそれでさへも怕れ戦くほどの怯惰なる心を抱いて逃げて来た...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...触るゝものゝ眼である限りは蜻蛉のそれであつても怕れ戦くのだ――などゝ云つてゐたが...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...壮麗な宇宙と卑小な生命に戦く恐怖と憧憬の歌に源くのみであつた...
牧野信一 「真夏の夜の夢」
...彼の戦く胸は決して収まらうとはしないのであつた...
牧野信一 「裸虫抄」
...僅かの接触で戦くほどの繊細さにも...
柳宗悦 「雑器の美」
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