...自己の中に理想の成熟することを感ずる時...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...人間の魂が本當に成熟するのはどうしても老年になつてからの事だ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...馬鈴薯が地中に成熟する位のことは脳髄のドコかに知つて居たに相違無いが...
石川三四郎 「馬鈴薯からトマト迄」
...此秘術を施すと、少くとも十日か一週間は他の苗よりも早く、果実が成熟する...
石川三四郎 「百姓日記」
...子供が身体の小さい中に早くも大人のごとくに成熟することのないのは...
丘浅次郎 「人間生活の矛盾」
...顆(つぶ)がはち切れるほど成熟するころになると...
薄田泣菫 「独楽園」
...人に伝えるに足るほど成熟することは稀であった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...理性が自分自身成熟する自由を持っているに拘らず...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...成熟すると透明の趣に変わった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あるていど以上成熟すると...
中谷宇吉郎 「母性愛の蟹」
...何時となく思ひ上がれる我ならん君も仇も憎からぬかな人間も漸く成熟すると斯ういふ境地に立つ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...木にあるまゝなのだから斯うして置いてもその儘柿は成熟するだらう――と最初から思つてゐたのである...
牧野信一 「蔭ひなた」
...この果実は始めは緑色であるけれども成熟するときは...
牧野富太郎 「植物記」
...それはこの花がすんで実が成熟すると私の髪の毛のように真白くなるんで」と白髪を引張って笑われる...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...ゲーテが古典的人間として成熟するに従ひ...
三木清 「ゲーテに於ける自然と歴史」
...社会認識の成熟する諸条件がそなわりはじめた十八世紀末から...
宮本百合子 「現代の主題」
...遂にそれ以上のものに成熟するのではないかというまざまざとした本能の予感があります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...成熟するかと思うとやがて老衰し...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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