...自己の中に理想の成熟することを感ずる時...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...人間の魂が本當に成熟するのはどうしても老年になつてからの事だ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...馬鈴薯が地中に成熟する位のことは脳髄のドコかに知つて居たに相違無いが...
石川三四郎 「馬鈴薯からトマト迄」
...『成熟すると綿の円莢は広く開く...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...子供が身体の小さい中に早くも大人のごとくに成熟することのないのは...
丘浅次郎 「人間生活の矛盾」
...顆(つぶ)がはち切れるほど成熟するころになると...
薄田泣菫 「独楽園」
...人に伝えるに足るほど成熟することは稀であった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...私はその実が今日のように立派に成熟するまでに随分さまざまの丹精を凝らし...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...ルネサンスを経て自然科学が勃興し成熟するまで...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...そして彼等の体験が戦争文章として成熟するのを...
戸坂潤 「戦争ジャーナリスト論」
...一年中の最も陽性を受けた豊潤な時を領分として成熟する...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...諸学問が悪くない程度に成熟するにも時間が短い...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...木にあるまゝなのだから斯うして置いてもその儘柿は成熟するだらう――と最初から思つてゐたのである...
牧野信一 「蔭ひなた」
...この果実は始めは緑色であるけれども成熟するときは...
牧野富太郎 「植物記」
...この花穎と※穎とは果実すなわち穀粒の成熟するまでこれを保護し...
牧野富太郎 「植物記」
...それはこの花がすんで実が成熟すると私の髪の毛のように真白くなるんで」と白髪を引張って笑われる...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...却って益ひろく瑞々しいマターナルなものに成熟することは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...遂にそれ以上のものに成熟するのではないかというまざまざとした本能の予感があります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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