...遥かに大事な事でゝもあるやうに一生懸命に...
伊藤野枝 「惑ひ」
...川北先生を突きはなそうと懸命に力をだしているのを見てとった...
海野十三 「四次元漂流」
...懸命に佐吉さんの人柄の良さを語り...
太宰治 「老ハイデルベルヒ」
...気持が険しくなって来るのを懸命に抑えて...
太宰治 「人間失格」
...わたくしはまだ父のいうことがじゅうぶんには会得(えとく)できませなんだがそれでも子供は好奇心が強うござりますし父の熱心にうごかされて一生懸命に聴(き)こう聴こうといたしましたのでこうなんとなく気分がつたわってまいりましておぼろげにわかったようなかんじがしたのでござります...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...あの女をミーチャはいつも一生懸命に...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...なおも一生懸命に拝んでいる...
中里介山 「大菩薩峠」
...どこへでも融通が利(き)くべきはずの秀才が懸命に馳(か)け廻っているにもかかわらず...
夏目漱石 「道楽と職業」
...一生懸命に吹き込むのでした...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...懸命に漕(こ)いでいる水夫たちによって進められていくが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「火夫」
...一生懸命に締めつけ始めた...
北條民雄 「道化芝居」
...それを下宿の狹い室で一生懸命に讀み耽つたものである...
三島霜川 「自傳」
...持って行かれないものは双方共通にしてもいいとお登和さんが一生懸命に世話を焼いている...
村井弦斎 「食道楽」
...一しょう懸命になって淵の水を汲み出します...
柳田國男 「日本の伝説」
...それと見るや否や私も一生懸命に逃げ出した...
夢野久作 「怪夢」
...一所懸命に我慢をして涙を拭いておりますと...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...私はただあれ以来一意懸命に...
吉川英治 「剣の四君子」
...お米は、かれの遅疑をみると、「いいとおっしゃったのでしょう、ね、あなた」あわてて、一生懸命に、啓之助のそばへすりよって、男の体を抱くように、「じらさないで、後生(ごしょう)ですから」と、機嫌をとると、「エイ、娼婦(しょうふ)みたいな真似(まね)をするな」啓之助は、かえって癇(かん)にふれた声をして、お米を突き放して起き上がりざま、ふところからつかみだした船切手(ふなぎって)の木札を、女の膝へ叩きつけた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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