...自ら道を開かむとする要求を感ぜざる懶惰が挾まれることである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...海面が懶(ものう)げに揺れる...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「グーセフ」
...平素はのらくらしていて随分懶(なま)け者だが...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...熱っぽい懶(ものう)さ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...眼覚(めざ)めの懶(ものう)さに快い眩暈(めまい)が交じる初春であった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...何等の秩序もなく懶惰不潔なることを知らしむ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...懶婦か悍婦かになろうとしている...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...うらゝかに懶き空に...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...あゝ忘られた運河の岸堤胸に残つた戦車の地音銹(さ)びつく鑵の煙草とりいで月は懶(ものう)く喫つてゐる...
中原中也 「山羊の歌」
...さうして砂原へ天幕(てんと)を張り懶惰(らんだ)な日にやけた手足をのばしてやくざな人足どもと賭博(ばくち)をやらう...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...かえってこれがためにその懶惰(らんだ)不行儀(ふぎょうぎ)の風を進めたる者というべし...
福沢諭吉 「旧藩情」
...放蕩(ほうとう)と懶惰(らんだ)とを経緯(たてぬき)の糸にして織上(おりあがっ)たおぼッちゃま方が...
二葉亭四迷 「浮雲」
...画家は多くはその性疎懶(そらん)にして人に頼まれたる事も期日までに出来るは甚だ少きが常なり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...なにもその方面の学者が懶(なま)けているというのでは決してございません...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...花のころ月の宵(よい)などには申し合わせたように単調な懶(ものう)い...
水上滝太郎 「山の手の子」
...かれらは懶(ものう)げに...
室生犀星 「幻影の都市」
...物事にはや懶(ものう)いくせがつき初(そ)めて...
吉川英治 「剣の四君子」
...自分の病も懶(ものう)く...
吉川英治 「平の将門」
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