...信子は懶(ものう)さうな眼を挙げて...
芥川龍之介 「秋」
...懶(ものう)い視線(しせん)を漂(ただよ)わせた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...懶(ものう)げに倚(よ)り坐せるなり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...そして懶(だら)けきつた胃の腑を抱へて奉天へ来るには来たが...
薄田泣菫 「茶話」
...懶惰者(なまけもの)の大学生のやうに昼寝をしてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...その周囲(まはり)の物懶(ものう)げな...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...小松殿は差し俯(うつぶ)きて人に面(おもて)を見らるゝを懶(ものう)げに見え給ふぞ訝(いぶか)しき...
高山樗牛 「瀧口入道」
...認識の一等幼稚な或いは一等懶惰な場合に他ならない...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...陰鬱(いんうつ)な懶(ものう)い悲しみが彼らの上に落ちかぶさってきた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...今では却て身動きするのも懶(ものう)いやうな不健全の快感に人を陷入れる...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...世上の文学雑誌にわが身のことども口ぎたなく悪しざまに書立つるを見てさへ反駁(はんばく)の筆執(と)るに懶(ものう)きほどなれば...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...それは何代に亙る父系の懶惰(らんだ)と不道徳と...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...懶怠(なまけ)られては困(こま)るけれど...
樋口一葉 「われから」
...あるいは天寒く鶏懶(ものう)ければまさに旦ならんとするに至っていまだ鳴かず...
南方熊楠 「十二支考」
...腰も懶るくなり、咽喉もとの唾も涸れて来た...
横光利一 「旅愁」
...決して懶惰(らんだ)ではございません...
吉川英治 「新・水滸伝」
...自分の病も懶(ものう)く...
吉川英治 「平の将門」
...微酔(びすい)の懶(ものう)げな眼を...
吉川英治 「柳生月影抄」
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