...懶氣に叫んだのである...
石川啄木 「雲は天才である」
...程なく汽車は夜通し駆け廻つて懶(だら)けきつた身体(からだ)を廊下(プラツトフオーム)へ横たへた...
薄田泣菫 「茶話」
...鏡の前での懶(ものう)げな横目...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...然し彼の心の中には懶い倦怠と...
豊島与志雄 「囚われ」
...懶け者の癖として...
豊島与志雄 「囚われ人」
...本堂の方(かた)に木魚(もくぎょ)叩く音いとも懶(ものう)し...
永井荷風 「葡萄棚」
...懶(ものう)く怡(たの)しく何の悔も無く...
中島敦 「環礁」
...卯平(うへい)はさうすると又(また)のつそりと懶(ものう)げに身體(からだ)を戸口(とぐち)まで動(うご)かして與吉(よきち)の手(て)に渡(わた)してやる...
長塚節 「土」
...物云うも懶(ものう)きわが小指の先で...
夏目漱石 「虞美人草」
...がやがやいふ人声もめつきり少くなり、低くなつて、女商人や、百姓や、ジプシイも今はしやべり疲れて、その舌まはりものろく、懶げであつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...いかにも懶(ものう)そうな様子をぼんやりと思い浮べているのだった...
堀辰雄 「菜穂子」
...然るに極めて懶惰無頼なる市井の一文人たる私は明治初世の持凶器強盗清水定吉がのちにその情人たりし五分珠のお藤との最初の出会の舞台面としてのみ...
正岡容 「山の手歳事記」
...懶(なま)けて恋をお為続(しつづ)けなさるが好い...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...或時懶眠(らんみん)の中から鞭(むち)うち起された...
森鴎外 「妄想」
...その顔を横に振るのも懶(ものう)そうに...
吉川英治 「上杉謙信」
...いよいよ気懶(けだる)げに振って答えた...
吉川英治 「黒田如水」
...気懶(けだる)い体を脇息(きょうそく)にもたせかけながら高綱はそれを読んでいた...
吉川英治 「親鸞」
...気懶(けだる)い波音を繰り返していた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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