...何となく懐かしいような気がする...
岩野泡鳴 「耽溺」
...いわば私一人の胸の奥に残されてる懐かしい思い出なのだから...
上村松園 「京のその頃」
...激しい向い風のなかに見え始めた故国日本の姿はまったく懐かしい限りであった...
上村松園 「中支遊記」
...哀しく懐かしい共感が持てた...
田中英光 「さようなら」
...私たちの美しくも懐かしい家は...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「感覚の殻」
...三日逢(あ)わなかった懐かしい顔は櫛巻(くしま)きに束(つか)ねた頭髪(あたま)に...
近松秋江 「うつり香」
...懐かしい浪(なみ)の音を耳にしながら眠ったが...
徳田秋声 「縮図」
...あの懐かしい探検時代に...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...けれどもそれは懐かしい春の雲を眺(なが)めるような心持で...
夏目漱石 「こころ」
...今日から見れば非常に懐かしい...
新渡戸稲造 「イエスキリストの友誼」
...懐かしい我が家の灯影がうつりだす――と...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...懐かしい感情が沸きました...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...大きくなってこんな土曜の夜を思い出したらどんなに懐かしいでしょうね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ことに旅人のためには懐かしい昔の国である...
柳田国男 「雪国の春」
...「――私は三男の暴れん坊で手のつけられない悪童だと云われました、父や兄はもちろん母でさえ私にはやさしくして呉れませんでした、私はいつも叱られたり罰をくったり、折檻(せっかん)されてばかりいました、……そのなかで唯一人、その人だけは私を庇(かば)い、私の味方になり、私を慰さめ、愛して呉れました、私が罰をくうとき、折檻されるとき、その人だけは詫びて呉れたり、一緒に泣いて呉れたりしました、……この世で私のたった一人の人、忘れることのできない、懐かしい、たった一人の人、お許し下さい、貴女がその人に瓜二つといってもいいほど似ていらっしゃるんです」半之助は懐紙を出してそっと顔を掩(おお)った...
山本周五郎 「半之助祝言」
...「こよいは懐かしい旧友と共に...
吉川英治 「三国志」
...むかし懐かしいとする情のみではなく...
吉川英治 「平の将門」
...懐かしいものと会ったように...
吉川英治 「宮本武蔵」
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