...俺の旦那が薩長の大頭(おほあたま)と御懇意なのを承知して...
内田魯庵 「犬物語」
...そんなに詩人と懇意なのだつたら...
薄田泣菫 「茶話」
...先生株の牙彫の人たちと懇意な間柄である(現時金田氏の二代目は日本橋区大鋸町(おがちょう)に店がある)...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...」懇意な客に彼女はよくそう言った...
豊島与志雄 「朝やけ」
...懇意な間柄で話がしにくくなってくると...
豊島与志雄 「女と帽子」
...古典学校やソルボンヌ大学などの懇意な学生のところへ行って説明してもらった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...私の懇意な者があり...
豊島与志雄 「椿の花の赤」
...懇意なお客が特別なものを味った...
豊島与志雄 「どぶろく幻想」
...」云ってのけると、懇意な方のが、はっと顔色を変えて、意味ありげな目配せをした...
豊島与志雄 「話の屑籠」
...其處へ今日(こんにち)の席上では一番懇意な書記官のガルビアニ氏が加はる...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...自動車で三番町の千代田家という懇意な待合へ行った...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...懇意な人でも滅多には寄せつけないのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんなことで今も八丁徳さんと懇意なのだが...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...懇意なその筋の人が内々(ないない)知らせて呉(く)れるに...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...一斗桝てのは一升桝の十倍だって」「アア」「だからあれから懇意なとこで一升桝をたくさん借りてきて...
正岡容 「圓太郎馬車」
...御懇意な仲でしょう...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お菊ちゃんは、座蒲団をすべって、「ずいぶん話し込みましたね」「まあいいでしょう」幇間(たいこもち)の三孝は、欠伸(あくび)を噛んで、「お嬢さん、お灸(きゅう)は」「お灸」「それが目的(めあて)で来たんじゃありませんか」露八は、手を振って、「断わるよ」「あら、なぜ」「実は、灸のつぼも知らないし、病(やまい)のやの字も知らないが、線香一本あれやあ、資本(もとで)いらずでできる商売と考えておっ始めた俄灸点師(にわかきゅうてんし)だもの、懇意な人や、きれいな女にゃ、すえられない」「おやおや、あぶない灸点屋さんだね...
吉川英治 「松のや露八」
...私を案内して一緒に其処まで行って呉れた老人はそれを聞くと却って喜んだ様に、それでは矢張りこれから私の行く家へ御一緒に参りましょう、極く懇意な仲で、ことに私はいつも其家(そこ)の離室(はなれ)に滞在する事にきめてあるので少しの遠慮もいらないから、とたって勧める...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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