...厭(いや)に御懇(ごねんごろ)ね...
泉鏡花 「婦系図」
...それでせめてもの心やりに懇意な人形師に頼み...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魂の喘ぎ」
...かねて顔昵懇(かほなじみ)の内田銀蔵博士であつた...
薄田泣菫 「茶話」
...娘のお柳と懇(ねんご)ろになつた」「本當かえ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...すつかり打解けて懇意になつた...
萩原朔太郎 「追憶」
...当然の次第とはいえ、文章はたどたどしく、措辞(そじ)もすこぶる意外なものが多く、意味の通じかねるところもあるが、いたるところにホロリとするような愛情の泉がひそめられ、自分の生涯に、かくも懇篤な、誠実極まる美しい手紙に接することは再びはあるまいと、思わず嘆声を洩したくらいであった...
久生十蘭 「手紙」
...一同は四方から彼を取り巻いて、せめてもう二週間この市に滞在するようにと、極力、懇願しはじめた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...どうぞこちらへ」懇願するような響きがあったが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...開拓使の仮庁舎に出頭して懇請しなければならない...
本庄陸男 「石狩川」
...私には勉強をしてゐる風を装つて呉れと懇願した...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...数町の田圃を開懇せり...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...今まで長い間御懇意にしてゐたのが何にもならないと云つて機嫌が惡いんですよ...
正宗白鳥 「水不足」
...これは上等の料理でパン代りに使うのです」と懇(ねんごろ)に説明して倦(う)む事なし...
村井弦斎 「食道楽」
...彼らに恩恵とか義理とか感謝とか懇願とか御礼とかいうような...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...お父上から懇々(こんこん)申しつけられたとおりを守って上杉家の出来事...
吉川英治 「上杉謙信」
...官民懇談會へも、首相官邸へも、翼賛會本部へも、この草鞋ばきでゆくので、草鞋村長の名を得た篤農家である...
吉川英治 「折々の記」
...ご懇望もだしがたく試合は仕るが...
吉川英治 「剣難女難」
...ダリヨは懇請してオルガンチノを高槻に迎えた...
和辻哲郎 「鎖国」
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