...私の幼い記憶に残つてゐる...
伊藤野枝 「日記より」
...時折に古い昔の粉本を出してそれを広げて見てその当時を憶い出します...
上村松園 「栖鳳先生を憶う」
...僕はちっとも記憶しないが...
江戸川乱歩 「鬼」
...真面目な着実なそうして閑寂趣味のものに導いたということを記憶すればいいのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...私の記憶する限りでは...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...読者の記憶するところであろうが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...江戸へ出る時に見た荒廃した蔵屋敷の記憶は...
直木三十五 「南国太平記」
...よく憶えておいてくれんか」「はい...
直木三十五 「南国太平記」
...閑雅な食慾怠惰の暦いくつかの季節はすぎもう憂鬱の櫻も白つぽく腐れてしまつた馬車はごろごろと遠くをはしり海も 田舍も ひつそりとした空氣の中に眠つてゐるなんといふ怠惰な日だらう運命はあとからあとからとかげつてゆきさびしい病鬱は柳の葉かげにけむつてゐるもう暦もない 記憶もないわたしは燕のやうに巣立ちをし さうしてふしぎな風景のはてを翔つてゆかう...
萩原朔太郎 「青猫」
...それが彼の記憶を刺戟(しげき)するのかも知れないぞと思った...
堀辰雄 「恢復期」
...殊に權力者の行爲を記憶に保存しようとする願望から他の類の記録が生ずる...
三木清 「歴史哲學」
...諸君は彼らの記憶の幸運をのろうか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...けれどもじきに使用からも記憶からも消えてなくなるような贅沢は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...風呂(ふろ)のしたに焚(た)かれてがっかりした記憶も自分にはある...
柳田国男 「こども風土記」
...なにも記憶していなかった...
山本周五郎 「その木戸を通って」
...きびしすぎる叔母から逃げて母の記憶をよびおこしてから...
山本周五郎 「日本婦道記」
...そのあるものの記憶は正確そのものであった...
夢野久作 「暗黒公使」
...記憶喪失の間にあらゆる古い話を読み聞きした――私の探求が十分すぎる程明らかにしたように...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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