...なぜ富貴の家には生れ来ぬぞ……その時先生が送られた手紙の文句はなお記憶にある……其の胆の小なる芥子(けし)の如く其の心の弱きこと芋殻の如し...
泉鏡花 「おばけずきのいわれ少々と処女作」
...色々な人の記憶を引出して...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...まだ人々の記憶になまなましく残っているはずです...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...潜在的に記憶に印象したその顔を...
モリス・ルヴェル Level, Maurice 田中早苗訳 「誰?」
...あれの幼い頃はお互(たげへ)にまだ記憶(おぼ)えて居るだが...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...これらのものは感覚から記憶の助けを藉りて想像力に達したと思われるゆえに...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...夢のような記憶では...
寺田寅彦 「二つの正月」
...その同じ場所を訪れた時の記憶もヒリヒリと眼のまえに彷徨(さまよ)っていた...
原民喜 「秋日記」
...憶測をまぜた想像的な記事や悲劇的なニコラス二世の小伝をつづるくらいのところでお茶を濁すしかなかった...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...記憶は未だ生々(なま/\)しく...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...怪しくなりました記憶から取り出します話には荒唐無稽(こうとうむけい)な夢のようなこともあるのでございますよ」と...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その在りかの記憶さへなかつた...
室生犀星 「渚」
...初の一枚には立秋の句があつたのを記憶してゐる...
森鴎外 「俳句と云ふもの」
...故郷を憶(おも)ふ念と栄達を求むる心とは...
森鴎外 「舞姫」
...「おぼえる」とは「思う」という言葉とも同じであって、記憶をも意味し、古人のいったことを思い出すこと、また自ら静かに考えに耽るということもその中には含んでいる...
柳田国男 「故郷七十年」
...深刻を極めたローマンスに関する記憶が...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...特に母の泣き顔の記憶はつよい...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...さまざまな憶測は概ねそんなことに生まれた...
渡辺温 「絵姿」
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