...何時も不可知な何物かに憧れる所が身上らしい...
芥川龍之介 「上海游記」
...何か物に憧れるような焦立(いらだ)たしさを覚えるのも可笑(おか)しい...
岩本素白 「雨の宿」
...しきりと東京の空を憧れるようになったんです...
大阪圭吉 「三の字旅行会」
...どうも若い女に憧れるという悪い癖がある...
田山花袋 「少女病」
...心平さんと同じく空の一角を凝視して天に憧れるのである...
豊島与志雄 「「草野心平詩集」解説」
...それは「自由」に憧れる心地と同じようなものだった...
豊島与志雄 「楠の話」
...また何かしら未知の世界に憧れるというような...
豊島与志雄 「黒点」
...夜の灯に憧れる彼等の乱舞には...
豊島与志雄 「美醜」
...)いま私の心は光に憧れる...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...姉の眼のなかには深淵に脅えるものと憧れるものとが混りあつてゐたやうだ...
原民喜 「火の子供」
......
原民喜 「魔のひととき」
...胸のうちでばかり憧れる風景の香りにばかり酔つてゐるといふやうな折からだつたので...
牧野信一 「湖の夢」
...プロメトイスのまことの火に憧れるソクラテス派の唯心論者のやうだ...
牧野信一 「山彦の街」
...愛がその本性においてつねにより高いものに憧れるのと異つてゐる...
三木清 「人生論ノート」
...またいたずらに未来を憧れるべきではない...
三木清 「親鸞」
...只真理に憧れる事を知って居る霊のみが為し能う事なのだと云う事を...
宮本百合子 「黄銅時代の為」
...愛に憧れる作品である...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...心は反対に稲穂の健康さに憧れるのである...
横光利一 「欧洲紀行」
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