...いや憚るところもなくといっても...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...甚だ外聞を憚る儀が出来(しゅったい)致しましたので...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...私達にとってはね』夫人は他聞を憚るからと云って...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「機密の魅惑」
...道途の説にはいうに憚ることがある...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...過って改むるに憚ることなかれ...
大杉栄 「男女関係について」
...其処で彼はまた歩き出したが足音を憚るやうにそろ/\と一足毎に注意して歩いた...
田中貢太郎 「海異志」
...益々伯の失徳を追窮して毫も憚る所なかりき余は彼れが果して後藤伯の人物を正解し得たりしや否やを知らず又彼れの後藤攻撃論は...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...そして何物にも憚ることなく...
豊島与志雄 「自由人」
...幕府から賜わった屋敷ゆえ憚るのである...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...再三申し候通り此の道は男子も憚る険道...
中里介山 「大菩薩峠」
...世間ですれば四方(あたり)を憚る秘密会議も...
中里介山 「大菩薩峠」
...何んの憚るところもなく八五郎に迫るのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...少しも憚るどころでない...
福澤諭吉 「明治三十一年三月十二日三田演説會に於ける演説」
...誰をも憚る色が無かつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...わが身邊の事を管々しく記すは憚るが...
村越三千男 「大植物圖鑑」
...そつと傍観してゐる何物かの邪魔をすることにならうかと憚るのである...
マクシム・ゴルキイ Maksim Gorkii 森林太郎訳 「センツアマニ」
...ちと他言を憚るが...
吉川英治 「江戸三国志」
...秋ぐちといっても、まだ寒いほどではないのに、今夜に限って、世間憚るように、間の障子が閉めてあった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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