...概括せる斷言は私の憚る處であるが...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...我等はこの Entweder-Oder を Sowohl-als auch にかへることを憚る可きではない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...四邊(あたり)を憚る樣に答へた...
石川啄木 「赤痢」
...過って改むるに憚ることなかれ...
大杉栄 「男女関係について」
...アレースを――かの暴れ狂ふ慓悍の 830神――反覆の禍(まがつみ)を打ちて憚ること勿れ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...そして何物にも憚ることなく...
豊島与志雄 「自由人」
...」あたりを憚るような低い声でした...
豊島与志雄 「沼のほとり」
...却て二人は人目を憚るにも及ばなかつたらしい...
永井荷風 「にぎり飯」
...世間ですれば四方(あたり)を憚る秘密会議も...
中里介山 「大菩薩峠」
...憚るところのない猥らなもの音が...
久生十蘭 「金狼」
...」村ぢゆうに誰ひとり憚る者もなく...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...近年は日常交際の談話に公然子宮の語を用いて憚る所なく...
福沢諭吉 「新女大学」
...又一方は直に之を攻撃せんとして何か憚る所ある歟...
福沢諭吉 「帝室論」
...いつかの鴎の海辺の印象からヒントを得て創作したらしい極めて幼稚な歌を誰を憚ることもなしに胸を拡げて口ずさんでゐた...
牧野信一 「籔のほとり」
...傍に立つてゐる人に憚るやうに...
水野仙子 「神樂阪の半襟」
...是より猫は家人の畏れ憚る所となつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...彼等は互ひにそんなに近く寄つてゐるのを少し憚るやうに...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...秋ぐちといっても、まだ寒いほどではないのに、今夜に限って、世間憚るように、間の障子が閉めてあった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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