...又一方は直に之を攻撃せんとして何か憚る所ある歟...
飯田平作 「帝室論緒言」
...お由!」青年は憚るように声を殺して呼びながら...
海野十三 「白蛇の死」
...山田は先妻の親戚としてこの相談に直接に与かることを憚るだろうが...
大杉栄 「獄中消息」
...其処で彼はまた歩き出したが足音を憚るやうにそろ/\と一足毎に注意して歩いた...
田中貢太郎 「海異志」
...疑ふことなく憚ることなく...
種田山頭火 「松山日記」
...いゆき憚るしら雲を麓なかばにとめおきて落る日を呑み月を呑む高きは山の姿かな...
土井晩翠 「天地有情」
...」あたりを憚るような低い声でした...
豊島与志雄 「沼のほとり」
...大正の初には文士は憚るところなく原稿料の多少を口にするやうになり...
永井荷風 「来訪者」
...あたりを憚るやうな声で部屋の説明をした...
原民喜 「災厄の日」
...己れの声を己れで憚るが如き調子で...
久生十蘭 「魔都」
...憚るに足らざるなり...
福沢諭吉 「女大学評論」
...又一方は直に之を攻撃せんとして何か憚る所ある歟...
福沢諭吉 「帝室論」
...それにもかかわらず自己の唯物論として憚るところなく主張するマルクス主義は...
三木清 「マルクス主義と唯物論」
...巡査は四周を憚るような声で言った...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...人が彼を畏(おそ)れ憚る...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...――なに怖れたり憚ることがあろう...
山本周五郎 「柳橋物語」
...秋ぐちといっても、まだ寒いほどではないのに、今夜に限って、世間憚るように、間の障子が閉めてあった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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