......
内田魯庵 「八犬伝談余」
...仕合せの悪い悲惨な境遇にある人の話を聞けば、自然に涙が出て、どうにかして救うてやりたいとの心が生じ、重い荷をひく馬が坂で、苦しんでいるところを見れば、実に憐れである、助けてやりたいとの気になるが、この同情の心は決して表面を飾るための偽(いつわり)でもなく、教えられて覚えた結果でもなく、真に生まれたときから備わっている本能的性質である...
丘浅次郎 「人道の正体」
...憐れむように兄は...
橘外男 「仁王門」
...近世史の始めにおいては実に憐れむべき微少なるものにして...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...憐れむべき人である...
中里介山 「大菩薩峠」
...弁信の憐れな姿でなければなりません...
中里介山 「大菩薩峠」
...ぐったりとなった憐れな赤犬は熟睡した小児が母の手に衣物を脱がされるように四つの足からそうして背部へと皮がむかれた...
長塚節 「太十と其犬」
...ただ憐れな感じがする...
夏目漱石 「草枕」
...しかし何となく憐れだった...
夏目漱石 「坑夫」
...近眼者の視(み)るところは実に憐れなほど浅薄なものだ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...志津子夫人の憐れな両親を苦しめ始めた時...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...もしそれ程その男に憐れみを掛けてやりたいのであれば...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...生命の不安に戦きながら文学に没頭してゐた自分などは回想するだに憐れであつた...
牧野信一 「喜劇考」
...今更のやうに極めて弱々しく憐れ気な科白を吐く私を...
牧野信一 「剥製」
...人間くらい憐れむべき動物はないのではなかろうか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼らの見くびっている様な憐れな猿ではない...
山本宣治 「猿の演説」
...むしろ世にも憐れむべき善なる女性――と...
吉川英治 「大岡越前」
...おたがいを憐れみながら...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??