...じっとひとりで胸の中に湛(たた)えているような性情(せいじょう)にある憐れみさえを感じているのだ...
有島武郎 「親子」
...心の中では深く相島の言葉を憐れんだ...
有島武郎 「半日」
...肝腎の本箱の書物の憐れなのはお座がさめて了ふ...
内田魯庵 「家庭の読書室」
...「考えてみれば憐れなものさ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...寧(むし)ろ同病相憐れむ―――と...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...憐れな感心な話だったし...
豊島与志雄 「好意」
...地面に散らかっていて話の間に足で押しやられてるザビーネの憐れな遺品...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...憐れむべき人間共の智慧の最後の表現が之だ...
中島敦 「光と風と夢」
...今度呼んだら飛び込もうと決心して流を見つめているとまた憐れな声が糸のように浮いて来る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...憐れむ可き罪人が一刻も早く神と人の裁きに就き...
牧逸馬 「双面獣」
...メソ/\と泣いてゐる憐れな画家や...
牧野信一 「山峡の村にて」
...袋竿で憐れな蝉を捕獲しようと忍び寄る風情を...
牧野信一 「蝉」
...憐れな病人をそつと運び出して呉れよ...
牧野信一 「剥製」
...「憐れむなんてこともないけれど――俺は...
牧野信一 「露路の友」
...入れなければならないのにお気の毒みたいですと彼女は私を初めて憐れんだ...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...それかといって今更のように叔父を憐れむ気には毛頭なれない私であった...
夢野久作 「鉄鎚」
...自分の姿もそれより以上に蕭条と曇って憐れに見えたのにちがいあるまい...
横光利一 「旅愁」
...悪そのものを許すのではなくして人を憐れむのであることを忘れない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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