...憂き目を見て居るだろうと思うと...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...「憂きも一と時うれしさも思ひさませば夢候(そろ)よ」と...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...さらばといってどうして今更お園をば二度と憂き川竹(かわたけ)の苦界(くがい)へ沈(しずめ)られよう...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...住み憂き土地にはあれどわれ時折東京をよしと思うは偶然かかる佳景に接する事あるがためなり...
永井荷風 「夕立」
...世の憂きことなどは知ろうようもないと思われた時代である...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...他国でどんな憂き目をみても...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...村田の二階も原田の奧も憂きはお互ひの世におもふ事多し...
樋口一葉 「十三夜」
...船乗になって憂き艱難しているが...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...駅に着く頃にはすっかり憂き世を忘れ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...8895憂き事を忘れさせる...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...わたしがいつかあなたに憂き目を見させたことがありましたかね...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...秘めたる思いと憂き悩みと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...難なく取りかこまれて五百の兵と共に敵地で全滅の憂き目に会ってしまった...
吉川英治 「三国志」
...そのため不吉にも彼は落馬の憂き目をみた...
吉川英治 「三国志」
...今日のような憂き目には立つまいに」と...
吉川英治 「三国志」
...全滅の憂き目にあうやも測り難い...
吉川英治 「三国志」
...――火はおれが放(つ)けたんだが、今夜の憂き目は、てめえの自業自得というものだ」「ムムッ……悪魔め」「悪魔とは、てめえのことじゃねえか」「残念だ」年景は、部下を呼んだ、召使の名をさけんだ...
吉川英治 「親鸞」
...難船の憂き目にも会ったりする...
吉川英治 「随筆 新平家」
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