...慄然として声を聞いて怖るる...
大隈重信 「勢力の中心を議会に移すべし」
...紀昌は慄然とした...
中島敦 「名人傳」
...思わず慄然とし、だが、次の瞬間、何故かしらぬが、わけの判らぬ妙なおかしさが込み上げて来た...
中島敦 「妖氛録」
...自分は理由なしに慄然とした...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...文學上に於ける根本の相違を考へて慄然とした...
萩原朔太郎 「室生犀星に與ふ」
...慄然としたよ……おれはこれからそのほうの研究をはじめる...
久生十蘭 「黒い手帳」
...そのときになって、慄然とした...
火野葦平 「花と龍」
...私は笑ひながら慄然としたのであつた...
北條民雄 「続癩院記録」
...暗い田舎道に臆病なせゐか成人の私でさへ慄然とするが如き不気味な調子だつた...
牧野信一 「創作生活にて」
...一途に慄然としてしまつた...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...」と慄然とした...
牧野信一 「南風譜」
...彼は慄然と身震ひした...
牧野信一 「白明」
...無論ほんの座興であつたにも拘らずそれを真にうけて女の来るのを待つてゐたと思はれては堪らない――さう思つて私は心底から慄然としたのです...
牧野信一 「晩春の健康」
...人間はどのような犠牲をも払う事が出来る……彼はそう思って慄然とした...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...あの人間の霊魂を相互にどうにもならないまで辱しめ合う醜い争いや、再び回復しがたいような感情的な致命傷を闘い合わすことや、それらによって人間そのものの性格に荒い苦しみを刻みつけたり、よくない経験によって益益(ますます)よくない傾きに墜ちさせてゆくことを考えると、私は慄然とした...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...封建時代的武勇に秀でた彼も瞬間慄然とした...
森於菟 「屍体異変」
...どういふつもりだつたか徳大寺への途中で斃れてつひに道で死んでしまつたさうです」定家は自分の家にもさういふ老人や家人を抱へてゐるのを思つて内心慄然としたとある...
吉川英治 「折々の記」
...慄然とするほど見馴れた物資がぞんざいに積み上げられた山に出くわしても我々は驚かなかった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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