...彼は自分の中に行はれた變化を感ずるにつれて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...日常の生活にはなはだしい不自由を感ずるに至ったからである...
丘浅次郎 「理科教育の根底」
...思うに「その現象のために利害を感ずべき個人あるいは団体の利害を感ずる範囲領域の大きさに対して...
寺田寅彦 「自然現象の予報」
...わざわざその痛みを増大させる事に愉快を感ずる...
寺田寅彦 「スパーク」
...で俺が今自分の心に熱が少くなったと感ずるのは...
豊島与志雄 「過渡人」
...それからまたこの姿では机に向って事務をとって居た瞬間に畑へ飛び出して野菜を取って来ると云う様な場合に殊更不便を感ずるのである...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...いずくんぞ生を知らん」と感ずるような素質を享(う)けた人間だってあるんだ...
中島敦 「狼疾記」
...また貧富の懸隔はかように色気なき物かとも感ずる...
夏目漱石 「倫敦消息」
...日本が支那よりもさらに深く尚武的要素の必要を感ずるものだということに思い至らなかったのは...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...やや感ずる所ありけん...
福田英子 「妾の半生涯」
...その気配を感ずると阿賀妻の心は子供のようにときめいた...
本庄陸男 「石狩川」
...私は之だけこそは大層な矛盾を感ずるだけで...
牧野信一 「熱海線私語」
...次第に私はてれ臭くなり終ひには嫉妬さへ感ずるらしくなつて来た...
牧野信一 「奇友往来」
...幻滅を感ずる程な悪い感じを此方から享けて――自分と別れてゐる間の方が余程爽々しい気分を感じてゐはしまいか――そんなことが可笑しい程心配だつた...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...人間的な逡巡を感ずるものである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...そこであやしくも身にしみて誘惑を感ずるこの呼び声を耳にする度に...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...どの程度に彼女が感ずるか...
蘭郁二郎 「白金神経の少女」
...自分等の思うことがいくらも言葉で書きあらわせるものでないと感ずる...
和辻哲郎 「藤村の個性」
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